年金通貨(消費型年金)のススメ
マネーストックの推移を見ていて考えることの一つが年金です。
どこかの資料で2005年から2017年の13年でマネーストック(M1、ざっくり言えば私たち個人企業等の現預金合計)が年平均21兆円ほどのペースで増加したというデータがありました。
461兆円から737兆円に増加。意外に思われる方も多いのでは・・・
しかし、その増加分はどこから来たのか?
マネーストックは銀行の信用創造(及び信用縮小)と政府民間間の金の流れという2大要素により増減します。
銀行の信用創造とは融資することですが(返済するとM1減少)、アベノミクスで日銀がいくら太鼓を叩いても肝心の銀行融資がそう増えなかったことは周知です。
ということは、マネーストック増加分のそれなりは政府から民間に払われたものということに他ならず、とすれば年金でしょう。
といいますか、マネーストックからはじくまでもなく最近の年金給付額はさっくり年50兆円でその原資の6割は現役世代が払う保険料。
その50兆円の全てが消費投資に使われているわけではありません。
年金を使わずに済む余裕のある高齢者の更なる資産形成に支出されるのが年金だとすれば、それは本来あるべき年金の姿ではありません。
努力しても報われない無数の若者、オジサン、オバサンが喘ぐ一方、苦労して払った保険料が原資の年金が十分に使われていない。
少子高齢化構造の中、将来の社会保障に不安を感じる現役層は消費を控え貯金に励み、それがまたデフレに拍車をかける。
これは大きな構造的問題です。
そこで提案。
「年金を消費型にする」
有効期限付きの年金通貨なりバウチャーなりを年金給付者に発行し、年金給付者は日本で消費可能なモノ・サービス全てを消費できるようにする。
政府は当該給付者が消費した金額を一般通貨(円)でその給付者が消費した企業に払う。
インフラ整備に兆円単位が発生するでしょうが、それで民間は潤い決済技術も進化する、そして年金の本来目的からしてこれまで無駄にされてきた(=使われなかった)兆あるいは10兆円単位の金額が恒常的に消費に回されることでデフレ解消に有効、消費額に限定されることで年金給付コストが削減され、年金システムに対する現役世代の将来不安が減り、将来不安で結婚や出産の意欲が湧かなかった層の出産も増え、社会保障システムの好循環化に資する。
枝葉末節の議論はいろいろあるでしょうが、日本の社会保障を見るにつけ、水広場的に推したい構造です。
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