水以外の効用を謳う水
数年前に出会ったカナダの水メーカー、ブランド名を「ハッピー・ウォーター」といいます。
この水だけが持つ特徴が水そのものにないという、ユニークなブランド。
変哲のない湧水でできているこの商品の効用は幸福のイメージ。幸福感というより、幸福のイメージ。
彼らのキャッチフレーズ:
「幸福に生きる」
チャンスにかける
見知らぬ人に微笑む
不利なほうに賭ける
変化を楽しむ
地元産を買う
「もっと水を飲む」
感謝を表現する
笑う
人工より自然
外で遊ぶ
勤務中に口笛を吹く
愛してると言う
日光を感じる
本当のことを言う
幸福なことを考える
当初このメーカーは湧水に含まれる微量リチウムが躁うつ病に効果があるとして水自体の効果効用を商品価値に据えようとしましたが、実際のエビデンスはなく結局はモノ事体は普通の湧水として扱わざるを得なくなります。
もし幸福と水を従来的に唯物論でアプローチしてしまうと、「健康は幸福に大切、水は健康に大切、だから水を飲めば幸福に近づく」といったものとなり、意味がありません。
そこで、この商品の効用は幸福のイメージと決め、水による健康維持はfeatureの位置に置く、そして幸福感とこの商品が消費者のマインドの中でカップリングされることを狙う。
それには強力なブランディング展開と資金も必要だと思いますが、人をポジティブにすることで水の価値も上がるのは良いことであり、成功を祈ります。
ちなみに、このブランドを目にするたびボビー・マクファーリンのあの歌が浮かんで仕方ありません。
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