ルノーと日産の今後
今朝の毎日新聞でマクロン氏が安倍首相に面談を要請したという記事を読み、本件におけるフランス側の焦りを感じました。
多数の不正行為により、またはコストカットを終えた段階で日産にとってゴーン氏は既に価値がなくなっていたと思われ、ルノーとの提携関係も日産側のメリットは相手のそれよりずっと小さく、提携によるコストシナジーを除けば日産側の多数派ステークホルダーは中期的な提携解消を望むはずです。
今後のシナリオを3通り勝手に想像しました。結論としては、短期シナリオがどうであろうと結局は提携解消しかあり得ないと想定します。
予想短期シナリオ
シナリオ1.フランスによる日産子会社化(確率10%)
シナリオ2.現状維持(60%) 株式持合い継続、経営合議
シナリオ3.日産の独立(30%) ルノーの資本支配からの脱却、緩やかな業務提携ないし業務提携も解消
予想中期シナリオ
シナリオ1の結果、いびつ不自然なフランス支配により日産の士気業績低迷、協議離婚
シナリオ2の結果、企業規模で不平等な資本提携による日産側の不満は消えず、離婚裁判
シナリオ3の結果、既に提携解消ずみ
日本、ドイツ、アメリカに引き離されたフランスの自動車産業、マクロンは資本の論理でたまたま手にした虎の子日産を手放せないものの、いびつな構造に焦っているはずです。
日本政府はまずは相手の出方を見ることでしょうか。
そして日産とすれば前述のとおり所詮無理のある提携構造のため、提携を継続するとしても、不公平の解消すなわち日産の議決権確保やルノー優位の決定権の是正はルノーが今後提携から果実を受け続けるためにも欠かせないとして、株主としてのルノーに対し、また資本提携構造は変えないと発言したフランス政府に対しても、この点を強く訴える必要があるのではと思います。
場合によっては日本政府がフランス政府に対し不平等な提携の是正を求めたとしても、今のG7その他諸外国からみて異質には映らないでしょう。
資本の論理だけで見ればルノー有利、しかし資本主義そのものがきしんでいる21世紀初頭にあり、従来の日本的なメッセージは逆に効果を発揮するようにも思えます。
個人的にはシナリオ3を切に望みますが、現実として予想するのはシナリオ2.
他方、もしこれがフィクション映画ならばゴーン無罪でシナリオ1が物語としては面白いのかもしれませんが、日本人で小市民たる私的には優秀な検察当局が間違うことは無いと信じるだけです。
以上、勝手な予想シナリオでした。
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