サントリー値上げ宣言!

サントリーが値上げを発表した。

繰り返し恐縮だが全体縮小均衡に陥った日本経済の最大問題は賃金が低いことであり、賃金を上げるには何はともあれ粗利を増やすこと、粗利を増やす真っ当かつ簡単な方法は最終消費者価格を適正水準に引き上げるに尽きる。

同じ品質のものを買うに日本ほど安い国はない。諸外国なら150円相当が当たり前のものが日本では100円で良品として買える。デフレ日本の消費者は強者、売り手は弱者、その仕入先は更に弱い立場にある。過当競争で極大化したこの消費者余剰のツケは労働者としての自分が払う羽目になっている事にやっと多くの人が気づき始めた。そう、日本経済復活の第一条件、消費者保護の最大化から労働者の稼ぎの最大化にシフトする事だ。

そうなってやっと若者にとって結婚という言葉が現実味を増す。結婚したいけど金ないからできない。結婚した世帯は子供もそれなりに産まれていて、つまり若者の低賃金は少子化の原因でもある。

今回のサントリーの値上げ発表が試金石になりえるか?2019年のコカコーラの値上げの際はほぼ全く飲料価格を上昇させなかった(囮廉売がひどかったミネラルウォーターの短期間だけの値上げを除くと飲料価格は上がらなかった、添付チャートCPI抜粋参照)。

政府要人に長期間アドバイスしてきた人間がトップに立つサントリー。当初は値上げに付き合う大手スーパー達も半年待たずに値をまた下げるようでは当該セクターの賃金が上がることも絶望的だ。政府に上から助言する前に、サントリーの社長には産業経営者として自らの業界で少しはまともな仕事をしてほしいと考えるのは国民感情として当然だろう。大いに期待しています。

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