消費者物価のドライバーは何だ?
1970年~2020年までの半世紀の消費者物価指数を項目別に調べています。
下図は50年間の600強の全項目を平均年率値上がり率と値段の変動率で散布したもの。(縦軸が平均価格上昇率、横軸が変動率)
この2要素の相関関係は弱いことや項目によっては価格変化の理由が想像できるものがあること等がわかります。
例えば半世紀で最も値段が上がった項目のグループには教育関連が多く含まれていたり、逆に最も下がったのはパソコンや家電など技術の進化に伴うものであったり。
そんな中で注目に値するのが当社が属するミネラルウォーター(図中の黄丸)。
PCのように技術革新と無縁のセクター、ですがミネラルウォーターは年平均で2.76%も価格が下がっていました。(当項目がCPI指標に加わったのは2000年につき20年間の平均)2.76%は大きく見えないかもしれませんが25年で元の半値になる水準です。
さて、CPI2%の継続的達成のために金融政策では不十分である事は過去10年の日本の実績で説明がつくものの、では何が必要なのか、当方知る限り誰も正解を提示していません。
小職が提示するとしたら2点あります。一つは社会保障への不安の解消。もう一つが流通構造の改良です。前者はマクロ的解決、後者はミクロ的ですが、当方はこれら2点をを丹念かつ大胆に改良することで緩やかで健康的インフレを起こし、それは賃金上昇を伴い、結果として結婚と新生児が増えると思っています。
尚、現在進行中のコストプッシュインフレで2%達成してもGDPデフレーターがプラスにならないと無意味です(GDPデフレーターは現在マイナス、つまり輸入原価上昇分を価格に転嫁できていない状態です)。
そこでミネラルウォーターに戻りますが、値段が20年前の半値あまりにまで下がった最大の理由は飲食料品の流通構造にあると考えます。
製造セクターと小売セクターにおける企業数や事業規模の差異がパワーアンバランスの常態化をもたらした結果、小売店が完全にプライスセッターとなりました。製造者がいくら新商品を定価で売ってくれといっても小売店自身の目標に達しない商品は勝手に値段を引き下げられる。水と平和はタダという風潮が残る日本で、合法的囮廉売にミネラルウォーターは恰好の素材という事です、分かりやすく言いますと。その為、水でいえばブランディングとメガチャネルに依存しない販売経路が大事なのです。今回はここまでです。
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