最も重要なスキル インテリ編
資産運用のプロ、経済アナリスト、上場企業の雇われ社長、コンサルタントなど、インテリと称される職業に最も必要なスキルとは何でしょうか。
「説明能力」です。失敗や未達の際にいかに巧妙な逃げ口上を考えつくか、いかに自分の責任から遠ざけるロジックで語れるか、それらが彼らの出世に最も影響する能力です。
例えば資産運用を生業とする人達は優れた運用実績が無い連中が大多数であり、例えば政府が重用する経済専門家の提言の多くは国民を貧しくしたにも関わらず、彼らが責任を問われず、出世すらできてしまう理由は、彼らの事後の言い訳が巧妙であることに尽きます。
最近の際たる例は日本銀行。日本でも金融緩和と物価に因果関係があるという間違った仮定を盲信し、黒田日銀が国民財産として最も重要な自国通貨を越権的に叩き売りしてもその理由として掲げていた「物価上昇」は起きませんでした。
すると、金融緩和絶対主義者たちは一斉に自己弁護に走りました。
高橋洋一のような似非学者は、アベノミクスのおかげで「雇用が増えた」「企業が最高益」「株高」「GDP増加」などと自分に都合のよいデータだけ切り取って「説明」すると、世の中の多く、特に努力せずに齢を重ねた一部の中高年は信じ込んでしまうようです。
雇用改善が始まったのは民主党政権の時であり、円安で一部の大企業は潤ったものの日本の大半の企業と大半の労働者は内需型つまり円安により損をしており、彼らの機会損失(円安でなければ得られたであろう収益)は株高で潤った一部資産家の利益より大きく、アベノミクスの円安とGDP成長は誤差の範囲ほどの関係しかなかったことなど、調べてみれば誰でも分かる浅薄な逃げ口上を重ねていることに気づきます。
新たに正規「説明者」に就いた植田総裁は自分のやっている茶番に気付いているはずです。今の日本で金融政策が確実にもたらすものは自国通貨価値の変動であることが実証され、他方でその自国通貨価値の安定という役割は日銀でなく財務省にあるという制度矛盾の下では誰が説明者であろうと茶番以外に演じられるものはありません。
茶番に気付いていないとすれば余程おバカさんなのでしょう。アカデミックの権威を盲信するという初歩的なミスを犯していることから、本当におバカさんである蓋然性は高いかもしれません。
今の物価高はウクライナ戦争が引き起こしたコストプッシュインフレであり、それまでの金融緩和とは何の関係もありません。
超円安が続けば、エネルギーと食料と原材料を輸入に頼る平均的日本国民の困窮は危険水域に入ります。その後、植田氏は私達に「説明」することになります。
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