プロアスリートの水
昨日、ひさしぶりにギドさんと会って話しをする。都内のホテルにて。
ギド・ブッフバルトさんはドイツ代表時代の1990年にワールドカップを制し世界チャンピオンになった元サッカー選手。それから浦和レッズで活躍し監督としてJリーグも制したすごい人だ。そのW杯時にはあのマラドーナを封じ込め僕の中でも強烈に記憶に残っています。
彼が育った南ドイツで有名なミネラルウォーターを輸入することになり会ったのが最初、以後仕事関係のつきあいだけなのですが、その僕などにも気さくに接してくれるギドさんのおかげで、こちらも最近は緊張しなくなりました。それとは多分無関係で、僕は時々、特に本人以外の人と話すとき、彼をあたかも友人のように「ギド」と呼ぶときがあります。
とにかく、今後も日本サッカーとドイツとの架け橋としてますますの活躍が期待されているギドさん。プロサッカー選手も毎日飲んでいるという特別な水で健康のまま頑張ってもらいたいです。
以前、監督引退後に来日した際、彼から僕と当時4歳の息子が浦和レッズの試合観戦に招待される幸運に恵まれました。まだサッカーが分かっていない息子を脇に父親だけが盛り上がり終了。そしてギドさんと友人やレッズ関係者の方々と食事に誘われ、スタジアムのそばにあるブラジリアンレストランに入り、息子と末席に座り人生初めてのシュラスコを食べさせる。彼は幸運です。
普段は誰よりもよくしゃべる息子。しかしその日は静かでいい子なまま後半に入り、8時を過ぎたころには眠いせいか更に静かになり、そろそろ失礼しなければとギドさんはじめドイツ人の皆様にもペコペコして父親が席を立ちます。後ろからついてくる息子がなぜかギドさんの横にぴたっと止まり、まだ食事中の皿の隣でおもちゃをいじりだす。それをニッコリと見下ろす優しいギドさん。次の瞬間、ギドさんを見上げていきなり「ギドの鼻って、な~がいんだよね~」とやったものですから瞬時に日本人関係者の笑いが爆発しました。苦笑しながら僕に視線を移すギドさん。「困惑は勿論、ひょっとして怒っているのでは?」と、父親は冷や汗をかきながら「失礼なこと言ってすみません」とひたすらペコペコ、ひたすらあせる。下を見ると女性陣の大うけで大満足の息子に気づき、ひっぱり退散です。
「怒ってるんだろうな。だってあのとき対面に座っていて日本語も分かるエンゲルズさんが「そういう君は全然鼻が無いじゃないか」みたいなこと言ってたからな」、などと小心者の父親はその後も悩みます。しかし後日にその場にいた関係者から「ギドはそんなに小さい人じゃないですよ。心配無用です」と笑われ、ほっとしました。
確かにそのとおりでした。しかし、それ以後、少なくとも息子相手に彼のことを話すときは「ギドさん」と呼称するようにしています。
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