地下600mの魅力
岩手県を縦断する北上山地の水源探訪。 今回は大峰山地下600mの坑道にある水源の現場を訪れた。
釜石鉱山。日鉄鉱業の子会社で、かつて新日鉄(現名)資源部門の一翼を担った鉱山を持ち、現在はその歴史的鉱山を管理しながら、山頂地下600mでほとばしる唯一無比の鉱泉水をボトリングしている。
その水は鉄を錆びらせない。アルカリ性の清冽な軟水で、有名な医学者も推薦する健康水だ。ボトリングされ、仙人秘水という名で販売されている。
出発。
トロッコに乗って坑道に入る。
ガタガタゴトゴト500mほど進む。
磁鉄鉱石、磁銅鉱石、そしてガーネットが連なる層
亀裂から水が伝う。鉱夫達はこの水で体調を管理したという。
銅鉱石。金色に光るのが銅。「金ですか?」と聞いてしまった。銅の含有率が高いことが特徴だ。
磁鉄鉱石と磁銅鉱石に磁石が張り付いている姿。強い磁力を備えた岩であることがわかる。右は石灰岩。
音響試験の空間。響きの間。前週には80歳の女性がここで18番を歌っていったという。
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山の魅力は中にある。堆積岩と火成岩から創られたこの山の中身は雄大で荘重だ。
大峰山の果肉は町を潤し、釜石は栄えた。磁力を備えた鉄鉱石、高含有の銅鉱石、果肉の甘さは何も変わらない。
その一方で相場がすべての命運を握っている世界。変動と固定。過去と未来。
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