フッ素
ハワイで水道水にフッ素(フッ化物)を添加する議論が熱を帯びている。虫歯予防のためアメリカの多くの州で水道水にフッ素が投入されており、国民の3分の2がフッ素入り水道水を飲んでいるというデータもある。
ある自治体ではフッ素混入を停止したところ、住民の虫歯発生率が増加したという。
他方、西欧の一部の国ではフッ素添加を停止してから虫歯発生率が下がったところもある。
WHOやCDCといった保健機構はフッ素入り水道水を推奨している。
日本はどうすべきか?
日本の歯科診療医療費が年3兆円弱、フッ素入り水道水で削減可能な医療費をシミュレートするだけのデータは世界ベースで存在するはずで、厚労省のエリートの方々であれば試算は容易と思われる。
いずれにせよ、上水道水の大半がトイレと風呂場で使用されていることを思えば、塩素に加えフッ素まで投入するのは個人的にはやや抵抗感があるが、いかがだろうか。
官僚のトップはバカなのか
今年実施予定の消費増税と軽減税率。
蕎麦屋さんの蕎麦を食べる場合、蕎麦屋に行って食べれば税率10%、出前で玄関まで持ってきてもらえば今までどおり8%。。。
普通の感覚をもつ人は誰でも変に感じるに違いない。
なぜそんなおかしなことになっているのか、ネットにあった2016年の情報を参考にした:
「「そばをそば屋で食べると税率10%、出前は8%。食べるものも作る人も同じなのに、税率が違うのは合理的なのか」。衆院財務金融委員会で、野党議員の質問に対し、財務省の主税局長は「出前は配達にあたる。ネットスーパーの宅配とのバランスで8%が適当だ」と答弁したが、野党側は「出前が増えるかもしれない。出前の方がコストがかかり、家族経営の小さな店に新たな負担を求めることになる」と批判した。」
ネットスーパー(宅配)で買う食品は軽減税率適用で8%、出前も宅配だから8%、ととれる発言をした人は、その後に財務事務次官に昇進している。
日本の官僚のトップである財務事務次官たる人物が、消費者が得る効用について無知であり、送料など宅配の実務面についても暗い、つまり本当はバカだったのではと思わせる。
ネットスーパーで食品を買う時、代金対価として消費者が得るものは商品価値と輸送サービス価値の合計であり、今回予定されている増税において後者に対し支払う「送料」は「サービス料金」であるから税率は10%に上がり、当該送料の消費税アップ分、支払総額が増加する。
従って宅配という共通点をもとに出前の税率を設定するにしても出前が8%のままでは論理破綻している。
出前の蕎麦は輸送サービスが含まれている、つまり店で食べる価値を上回る価値を消費者が得ている、よって店内の食事より安くなることは原理原則上ありえない。
出前のほうが安いとなれば店に行く客は減り、特に小規模店舗に更なる負担をかけ、料理店の宅配ビジネスが拡大し、交通量は増え、総じて社会的コストは増加する。店内食の蕎麦の税が10%であるなら出前はそれ以上でなければならず、出前も軽減税率の対象外とするのが唯一の解であろう。
出前が軽減税率となれば蕎麦屋さんは出前の送料をチャージすればよいだけともいわれそうだが、それは店舗に別の負担をかけ、お客さんを多少なりとも困惑させ、そういった対処療法の利点は従来どおり店内食と同税率同価格とする場合のそれと比にならないほど小さい。
普遍的原則に反した制度設計のふるさと納税で寄付精神が育たず税額もトータルで増えなかったように、出前8%の悪手ではいろいろと問題がでてくるはずだ。
出前はサービスなのだから10%、それでいいのではないか。
全豪オープンの裏話
大坂なおみ選手が優勝したテニスの全豪オープン、そのオフィシャルウォーターが現地で話題になっています。
オフィシャルウォーターとして選手や観客に排他的に供給されたGANTENというこの水、オシャレな容器で良い感じに見えますが、オーストラリアの人たちの機嫌を損ねたようです。
なぜか?
それはGANTENが中国の水だかららしい。
良質な水や食料に困らないオーストラリア、公害の記憶も新しい中国から水を持ってくるとはけしからんということのようです。
会場内で他の水を買えない観客達に特に不評だった模様。
画像のドイツ選手は「これじゃなくドイツの水が欲しい」と言ったとか言わないとか。
ちなみにGANTEN(百歳山)は中国の5大ミネラルウォーターブランドの一つで、広東州恵州市などで採水されていますが、ボトルの記載を見ると成分表示がレンジで記載されており、例えばナトリウムは1~15ppmと、極めておおらかな水ですが、天然成分は多少変化するのが自然でもあり、また国内で水質の異なる掬数の水源工場を稼働させていることからも、仕方ないというか、特に眉をひそめるよなものではないのですが、水を気にする人にとってはレンジの幅が広すぎるでしょう。
オフィシャルウォーターがエビアンだったら観客達はどう反応したかしなかったか、気になるところではあります。
ボタニカル・ウォーター
野菜果物ジュースを製造する際の副産物のひとつが水。その水をピュリファイしボトリングしたのがこのアクア・ボタニカルです。
バングラデシュの最近
バングラディシュ保健当局が5つのボトルドウォーターが不適という報告書を裁判所に提出。
同国の水はヒ素汚染などで深刻、今も3千以上の無許可の飲料水工場が稼働しています。
水が汚い環境下では許可と無許可の境界は半透明、多少の金で容易に手に入るボトルドウォーターは明らかな混濁や異臭が無い限り住民にとって全て推定無罪。
大分前にダッカの無許可工場に入ったりして深刻さは多少把握したつもりですが、今回の記事などを見る限り現状は当時と大差なく、残念です。
生物浄化
https://www.youtube.com/watch?v=0KZq3dpORps&t=3s
生物浄化の世界的権威、中本先生が浄水場の様子をYou Tubeにアップしました。
コーラ27年ぶりの値上げ【水広場的考察】
コカコーラが27年ぶりに値上げをするとのこと。
そのことが肝硬変になってようやく病院に行く患者のように見えるのは、こちらが酒飲みだから、というだけではないのです。
日本の清涼飲料市場は人間で例えれば肝硬変患者、重篤ながらガンまでいっておらず、深刻ながら治癒も不可能ではない、そんな状態です。
人間同様、経済も健康体でないと長続きしないわけですが、加工食品含む「モノ」セクターでは作り手、流通体、消費者にまたがる全体利益がそれぞれに適度に分散するのが健康体であり、利益が1者に集中する不健康体は長く維持することはできないのであります。
デフレと叫ばれ久しい日本、中でも清涼飲料の価格低下や低価格固定化は尋常でなく、川上側の負担を原資に消費者としての我々は知ってか知らずか大きな余剰を享受して長いことをご存じでしょうか。
物が安いことは消費者としての我々や年金生活者の皆様にとってプラス、他方でそのために給与を抑えられている労働者としての我々にマイナスなわけですが、現役労働世代、特に若い世代の手取り収入水準をみても、今のデフレは総じてマイナスであることは明瞭です。
デフレないし各市場の物価安にはイノベーションなど良い原因によるものと悪い原因によるものがありますが、清涼飲料セクターにおいては確実に後者であります。
悪い原因例をいくつか挙げましょう。
1.流通構造
日本の食品飲料の流通構造は川上はフラグメントで多数の小規模メーカーがひしめく一方で川下は大手小売りの合従連衡が進んだという不均衡状態につき、製造供給側の価格には小売側の意を汲まざるを得ない圧力がかかるわけです。
国内市場中心のメーカー各社は需要縮小の不況にあえぎ、セクター全体利益を考えている余裕はなく、自社及び原材料供給者の賃金を抑えざるを得ない水準の低価格で小売側の求める激安値に応じているのです。
2.大手メーカーの事業ポートフォリオと売上至上主義
諸外国と異なり、日本の大手飲料メーカーは酒類、製薬、不動産など他の稼ぎ頭をもっています。
清涼飲料事業単体ではトントンで問題なく、工場稼働率や物流シナジーなどを考慮すれば、売上さえ出ていれば清涼飲料単体では赤字でも仕方ないとされているフシもあるのです。
3.飲食品製造セクターの低賃金
他のセクターより恒常的に低く固定されている飲食品製造業の賃金水準。原価上昇に一定のキャップがかかっています。
4.規制者の不作為
例として、ドラッグストアはスーパーマーケット化し、原価割れとも見える低価格で飲料などを販売しています。
薬で儲かるため清涼飲料などは恰好の客寄せ素材というわけであります。
大前研一氏はこのようなドラッグストアの方策を称賛しましたが、あまりの視野狭窄さに失望しました。企業戦略家の限界というか、社会全体利益がマイナスになる可能性に気付いていないように見えます。
激安日用品で客寄せすれば薬を買う人が増えるのは当たり前であり、それは知恵ですらありませんが、商品の低価格固定が広がることは他方でイノベーションが利きづらい(=価格を下げる構造的転換の可能性が低い)飲料製造産業をじわじわと確実に害し、本来ありえた雇用と賃金を奪う。
財務省が酒類廉売を取り締まることができるなら、経済産業省はまず社会全体でマイナスつまり不当な廉売を制限する措置をとり産業の衰退を防ぎ賃金上昇余地をつくり、その余地ができれば雇用上これまで困難であったかもしれないメーカー同士の連携や合従を促し、健全な流通構造を構築する、という構想があってしかるべきとも思いますが、なんら動きが見えません。
とどのつまりは、この肝硬変を治すには一筋縄ではいかないということであります。
食品飲料セクターというのは大きなイノベーションが発生しずらい一方で、古今東西、絶対に必要な産業なわけです。
従前から指摘してきたとおり、マネーを増やせば物価が上がるという貨幣数量説は通用するわけがなく、今回結局通用しませんでした。
僕らがしていることは作り手の本来あるべき労働価値を反映したフェアプライスを一般の消費者の方々に理解してもらうことです。
そのために飲料それぞれの本源的な価値、天然水であれば当該水質や自然保護、水源のストーリーを含めた魅力を伝えるようにしています。
その上で、たまたま投資銀行の経験がある僕ができることとしたら、いびつな流通構造を是正するための合従連衡を少しでもお手伝いすることかもしれません。
あけましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます。
本年も皆様にとり良いお年になることを祈念いたします。
スペインの片田舎で愛される日本
当方の同業者でバルセロナ近郊に住むイギリス人スティーブ君から一枚の写真が送られてきた。
ニッカウヰスキーと立山の名水をスペイン人の奥さんと大いに楽しんだという。
スペインの片田舎でも愛される日本の味があります。
炭酸リサイクル
コカコーラがベンチャーと組んで同社がスイスで売っているミネラルウォーター「ファルサー」炭酸版に大気中から収集した炭酸ガスを使うという。
現在1トンの二酸化炭素を収集するのに600USドルかかるという当該技術のコストはファルサーの製造原価を上げるはず、であれば社会的責任のPR効果を考慮した判断と想像する。
地球規模では焼け石に水に見えるかもしれないが、環境への影響を熟慮し、やらないよりいいということかもしれない。
他方、そもそもビールや炭酸飲料の製造時に注入される炭酸のほとんどは石油精製やアンモニア製造で排出されたもので、嗜好面は別としても循環的な資源効率は現状で悪いものではない。
また当該ベンチャーの装置製造と運用で排出される二酸化炭素量の発表は無い。
つまり本当に以前より環境に良い商品なのかはまだ不明。
これがそうだとはいわないが、偽善的な商品サービスが跋扈する中、私たちは一般消費者に多面的に伝える必要がある。