エビアン2019 Limited Edition?

アメリカで水専門商社をやっているブレッドのサイトでエビアン2019リミテッドエディションが紹介されていました。

当社が知らされていたデザインと異なるため、現在事実関係を確認中です。

もし変更があったとしたら申し訳ございません。

水以外の効用を謳う水


 

 

 

 

数年前に出会ったカナダの水メーカー、ブランド名を「ハッピー・ウォーター」といいます。

この水だけが持つ特徴が水そのものにないという、ユニークなブランド。

変哲のない湧水でできているこの商品の効用は幸福のイメージ。幸福感というより、幸福のイメージ。

彼らのキャッチフレーズ:

「幸福に生きる」

チャンスにかける
見知らぬ人に微笑む
不利なほうに賭ける
変化を楽しむ
地元産を買う
「もっと水を飲む」
感謝を表現する
笑う
人工より自然
外で遊ぶ
勤務中に口笛を吹く
愛してると言う
日光を感じる
本当のことを言う
幸福なことを考える

当初このメーカーは湧水に含まれる微量リチウムが躁うつ病に効果があるとして水自体の効果効用を商品価値に据えようとしましたが、実際のエビデンスはなく結局はモノ事体は普通の湧水として扱わざるを得なくなります。

もし幸福と水を従来的に唯物論でアプローチしてしまうと、「健康は幸福に大切、水は健康に大切、だから水を飲めば幸福に近づく」といったものとなり、意味がありません。

そこで、この商品の効用は幸福のイメージと決め、水による健康維持はfeatureの位置に置く、そして幸福感とこの商品が消費者のマインドの中でカップリングされることを狙う。

それには強力なブランディング展開と資金も必要だと思いますが、人をポジティブにすることで水の価値も上がるのは良いことであり、成功を祈ります。

ちなみに、このブランドを目にするたびボビー・マクファーリンのあの歌が浮かんで仕方ありません。

リン

窒素、カリウムと並びリンは植物の育成に欠かせません。

農家の方なら誰でも知っている基本。

違う観点から、馬にもリンが大切で、カルシウムとの比率1.1:1が理想とされているようです。

https://thehorse.com/162079/mineral-of-the-month-phosphorus/

水質の観点からは藻を繁殖させるリンは邪魔者扱い。

同じものも立場によって見え方が違う例です。

 


(出所:わが国における渓流水のリン濃度の実態とその規定要因

 

設立記念日に感謝をこめて

2004年の今日、東京法務局で当社設立の登記申請をしました。

会社をたちあげるのに必要な作業はほぼ全部自分自身で行ったのでいろいろと記憶しています。

会社法改正前で株式会社には資本金1千万円が必要でしたが、こちらはそれまで会社員給与で貯めた預金が全財産、当プロジェクトに参画してきた友人とあわせ、準備会社の特例として500万円の資本金で会社自体は誕生しました。

水だけを仕事とすると決め勤務先を辞職、それ以来、当社運営と存続のため貯金をくずして小さな増資を繰り返してきました。

創業当時、ITなどと違い、飲料水というのはビジネスとして急成長するものでないことは明らかでした。

勿論、儲けることを目指していましたが、これからせっかくライフワークとして人生をかけるのあれば、金銭や規模でない何か新しくも普遍的な価値、大げさにいえばポスト資本主義の新しい企業モデルのようなものをつくりたいという気分に近い願望がありました。

水はそれに適しているように見えました。

世界の成熟地域には水のインフラは既にあり、他方で途上地域で水ビジネスが急成長したとしたらそれは廉価で水を得れたはずの利用者からの搾取です。

巨利はありえず、さはさりながら古今東西どこにも需要がある水。

事業構造の柱として私が考案したのは多種類のボトルドウォーター(日本でいうミネラルウォーター)から自分の体質にあったものを選べ宅配便で届くというものであり、水道インフラより裾野が狭くどちらかといえばハイエンドな分野を設定しました。

大げさながら水広場的なポスト資本主義の第一歩、それはミッションステートメントを基軸とした事業運営でした。

当社の存在意義たる目的であるミッションステートメントは「水を通じて健康と質の高い生活をもたらす」です。

創業以来、無数の機会で最終判断基準となったこのミッション、これまでブレておらず、今後もブレないでしょう。

イギリスの投資銀行でM&Aをやっていた者が突然水売りを始め、億単位の手数料という世界から個人のお客様への1円単位の価格設定に悩む世界に一変するということは新しい発見や学びの連続ということであり、それはこれからも毎日経験できることです。

大雪で埼玉の倉庫が崩壊、商品全損した際などは、加藤君の献身、退職したはずの飯尾君の手伝い、事務においては妻の大きな支えを受け、小所帯全員努力でぎりぎり乗り切りました。

全て自分で判断し、その結果を全て受け入れる世界では、サラリーマン時代には見えなかった景色が浮上します。

金銭、名誉、家族、健康、労働、自立、経験、奉仕、伝統、競争、多様、世代、共生等々それまで独立していた様々な価値軸が一様に粉末化し、その中から新たな優先順序で自分にとっての価値がたちあがり、凝固していきます。

そこでようやく自分自身にミッションステートメントが無かったことに気づいたりとも。

私共のように極めて家族的で小さな企業が営む「水広場」に多くの方が立ち寄って下さっていること、またその中でこれまで6万名にもおよぶ皆様に水を実際にご注文頂いていること、を何よりも感謝いたします。

設立記念日に改めて感謝いたします。本当に有難うございます。



飲料水による死 – ガザのケース

飲料水による死 -  パレスチナ自治区ガザの実態

低質な飲料水が原因でガザで多くの方々が病死しているようです。

イスラエルとの紛争で水道システムが壊滅的で、ガザ地区の97%の水は世界水準で飲用不可だとのこと。

チャド湖の枯渇リスク低減を阻むのと同様、こちらも明らかに人災。

こういう時のために水に特化した世界的なNGOがあるはずですが、本当に現地の人たちのために活動する団体はなかなか見当たりません。

あればぜひ応援したいと思います。

https://www.middleeastmonitor.com/20181017-study-polluted-water-main-cause-of-death-in-gaza/

オーストラリアで調子にのりすぎた水

https://www.abc.net.au/news/2018-10-16/akuna-springs-no-healthier-tap-water-testing-shows-nt-beverages/10379378

効能を謳ってしまうミネラルウォーターはいろんな場所にあるようで、オーストラリアのアクナスプリングスというブランドが批判の的になっています。

チャド湖がなくなる日

かつて世界で6番目の巨大湖、アフリカのチャド湖が今世紀中に消滅する可能性があります。

原因は気候変動だけではなく多分に人的、過剰灌漑や過剰放牧などが指摘されています。

国境をまたいでいることも資源管理を困難にさせ、ボコハラムが跋扈すれば落ち着いた管理など到底不可能の状態であろうと想像します。

国連がレポートを書いていましたが、最終的には当事者4か国が解決する事案。

コンゴ川から引いてくる、地下水革命を起こすなどの対応策が挙げられているようですが、それぞれハードルは高く、また地下水の場合は湖が枯れてしまう事態まであらかじめ想定した上で周辺の適所に局所的に展開する必要があると思われます。

いずれにしてもまずできる事は人的災害を縮小する第一歩たる治安改善、そのための国連であるべきで、安保理は当該地域の治安をどうにかする、それが各国が国連に送った役人の皆さんが取り組むべき仕事。


 

国連レポート: http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/2017/764

 

ふるさと納税がダメな単純な理由

ふるさと納税がダメな単純な理由

・普遍原則に逆らったスキームだから。

(普遍原則:全ての納税・寄付は払う側の出費すなわち経済的損失行為である)

(ふるさと納税スキーム:多くの利用者が納税・寄付により得をしている(=寄付前より富を増やしている))

以上です。

以下補足

・ふるさと納税の実態:ふるさと納税の多くが納税・寄付ではなく、一般的に不可能な格安条件による商品購入行為である。

・ふるさと納税スキームによるマイナス点;

1.国全体で税収がマイナスの可能性(在住自治体の減収や返礼品費用と取引費用によりパイそのものが縮小)
2.国民に寄付精神が育たない
3.返礼品にした商品価値が毀損する(実質的には「バーゲンハンター」である当該「納税者」達への破格値での商品提供は短期売上拡大にのみ寄与、低価格固定化の可能性が高まり中長期の売上と粗利が減少する圧力を生む)

釣りの聖地に起きた異変

スコットランドの川。

例えば有名なディー川、個人的にはまず開高健、次にミネラルウォーターのディーサイドが浮かびます。

フライフィッシングを愛する者、水を愛する者の天国ともいえる場所ではないでしょうか。

そのディー川支流の水温が過去100年で最高という27.5℃を記録しました。

https://www.bbc.com/news/in-pictures-45354167

気温上昇、降雪の減少、雪解け時期の早まりなどが原因とみられます。

ブラウントラウトなどは水温20℃以上だと活動が鈍化するとされ、対策急務。

川岸の植樹、洪水治水、川上貯蔵水の活用等々が検討されているらしい。

極東から勝手ながら、それら努力が実を結ぶ事を切に願います。

更に願わくば、いつか開高のようにフライを投じてみたい。

そのためには、悠々と急ぐことか。

最も深刻な分断

分断が進行中です。

国家間の分断、人種間の分断、民族間の分断等々、これまでそこそこの強度でもってお互いをつないでいたものが徐々に分離し、いまにもプチンとちぎれるのでは。

全ての個人が本来持つ公人の側面は完全に影となり、個の権利のみが声高に増幅され、SNSでグループ化された各個人に他者への敵対心が生まれています。

分断のうち人類にとって最も深刻なのが男女間の分断だと思います。最も身近かつ普遍的であるから。

男女間でいえば、今世界中でセクハラが騒がれるようになり、便乗の増殖が始まっています。

便乗の一例がUS OPEN女子決勝。

試合劣勢で不満が募り根拠ある判定に対し、その試合と何ら関連のない女性差別カードを使い自らを正当化し審判を侮辱した元王者の行為は幼稚でエゴの塊以外の何物でもありませんが、大会主催者や高級紙といわれるNYT,W-Post記者たちから正義の主役扱いされ(女性差別)被害者のように擁護されているという異常な実態。

他方、セリーナ・ウィリアムズを批判したアメリカ人も多かったことにも注目。W-postのコメント欄には人生最高の舞台をセリーナに乗っ取られた大坂なおみ選手を気遣い称える読者の声が多く見られ、同じことを意見欄で主張するジャーナリストの記事も皮肉にも高級紙?以外に見うけられました。

多勢に極めて脆弱な日本人、日本で同じことが起こっていたら、正直な疑問や思いに反し審判叩きに加わる者の比率が相当高くなると思われます。でも日本人の民意水準はここでは別の話。

話を戻し、セクハラ騒動とその便乗が広がると普通の男は怖くて気になる女性ができても近づけません。

勇気を振り絞ってやっと好きだと一言伝えただけでも、その相手からキモイやらセクハラだのと言われた挙句、SNSで変態的人物として拡散されるかもしれない。。。

玉砕しても昔なら失意だけで済んだものの、今は社会までが敵視するという大きなリスクが付き合う相手を求める全ての男の前に鎮座するわけです。

カトリーヌ・ドヌーブにとってそのリスクは理不尽で許容できないものでしたが、結局彼女もトーンダウンしたと聞きました。

そうして男女間の距離が広がり、マルサス人口論の2番目の前提条件が粉末化し、衆愚社会を中心に誕生人口が減っていく。

me tooに便乗する学者、活動家、有名人、政治家などの誰一人も性愛や情欲といったもの(私にはこれらの違いを正確に理解できませんが・・)と無縁でこの世に存在していないという自然原則に、いつ立ち返るのでしょう。

「私の権利」の主張がいきつく先には分断された殺伐とした風景しか私には見えません。

田舎のおばあちゃんがme tooとか言い出した時、それが日本の終わりに見えます。

イスラム社会で男女間の分断が始まる時、それが世界の終わりの始りに見えます。

更に、男女の分断が今見える分断だとしたら、日本でこれから心配な分断が世代間の分断です。

ツケをまわされた生産労働層とツケをまわした年金受給者層との分断。手を打たなければその深刻さは今後増していくばかり。

年金支給年齢を高くし、健常高齢者の病院通いを制限しても抜本解決にはならず、そのため以前書いたように、年金給付はクーポンのような有効期限付きの年金マネーにして現役世代に報いる、確実に消費を喚起するこの手がベストです。

ところで、前段を書いている途中で思い出したことがあります。

前職の投資銀行時代にピーター・タスカという当時人気アナリストの同僚を連れて東京三菱銀行の経営陣と意見交換したことです。

国際経済や日本企業の話が進み、先方のお偉いさんから「日本のビジネスマンや経営者が目指すべきものは何でしょうか?」と水を向けられたピーター、即答しました。

「最高の女性を見つけることです。」

隣に座っていた当時30前半の若輩は面食らうことしかできませんでした。

日本人に対する英国人的な比喩なのか、あるいは信条なのか(でもあのベルギー人の奥さんが最高ということ?あるいは・・・?)

いずれにせよ、その後は自分もいつかそのくらいエスプリの利いたセリフをどこかのお偉いさんに向かって言ってみたいと思いつつ・・・言えずに50を過ぎました。

エスプリというよりせいぜいペーソスが自分の現実ですが、少なくとも分断より寛容でいきたいものです。