世界のこぼれ話. ブリュッセルのレストラン
ブリュッセルにある2つのレストランが取引先の飲料メーカーから訴えられました。
原告はVALブランド ミネラルウォーターのメーカー、訴えはレストランがミネラルウォーターと称して水道水を売っていたというもの。
欧州では飲む水は買い、水道水は中水(上水でも下水でもない)として飲用以外での使用が多いという事情もありますし、メーカーの怒りは想像に難くありません。
レストランからの受注が激減し不思議に思ったメーカー担当者が店で出された水を調べて発覚したという事件。
つまり、レストランの顧客の多くはオーダーしたミネラルウォーターが偽物だと気づかなかったものと想像いたします。
ブリュッセルの水道がおいしくなったのか、画期的な浄水器があるのか、異国のどうでもよさそうな事案ですが、気になって仕方ありません・・・
https://www.theguardian.com/…/belgian-restaurants-accused-o…
HACCP
27日は終日HACCP研修会でした。
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point(s)、ハサップ)とは今国会での法制化が予想されている食品衛生管理手法です。
法律になればHACCPは国内の全食品メーカー義務付けられますが、具体的な法令がまだ見えないこともあって、研修会にはサントリーさん、帝国ホテルさん、文明堂さんなどの大手一流どころが多く出席していました。
グループワーキングのセッションでは皆さんと楽しくHACCP実践をシミュレーション、あっという間に一日が過ぎました。
つながる弱点
厳寒による水道管トラブルで東京都が千単位の世帯から連絡を受けているとの報道がありました。
地域統計上稀なケースなのでしょうが、零下数度程度でもダウンする設備が水道インフラの末端にあることがわかりました。
基バルブを閉めておけば多くのトラブルは避けられたかもしれませんが、多くの使用者は零下数度程度で破裂するほど脆弱であるとは想像していないのではないでしょうか。
今回はインフラの末端の事象ですが、公共インフラの脆弱性としては7年前の金町浄水場でのセシウム検出が記憶に新しいところです。
その際露見した脆弱性とは、インフラの一部に問題が生じた場合、それが全体に波及してしまう、まさにネットワークの弱点。
インフラの脆弱性を横に広げてみれば、たとえば通貨。キャッシュレス決済が広がれば広がるほど、ハッキングのインセンティブは増加するのが自然だと思いますが実際のところどうなのでしょう。
個人的には便利なキャッシュレスがよいと思いますが、水道同様、システムが持つ脆弱性はつきまといます。
クラウド上のデータ保管も同様のリスクがあり、ネット上で広がった消せない情報なども「つながるインフラ」がもつ負の側面だと思います。
つながらなくても生きていけるのが本当の強者だと思えて仕方ありません。
そのせいか、つながっていないモノが気になります。
身近なところでは手帳、地図、図書などの紙製品、そして紙幣・硬貨、さらにボトルドウォーター(ミネラルウォーター)なんかもつながらず完結しているところにその価値があるのかもしれません。
アマゾンというデフレ製造機
今の日本でマネーを増やしてもデフレは解消しないということを改め感じさせる体験がアマゾンのセラーセントラルでできます。
セラーセントラルとはアマゾンでモノを売る側の管理機能です。
例として私の会社がお酒を売っているとしましょう(実際に売ってもいます)。
2,000円で仕入れたお酒を2,500円(粗利20%)で出品したとして、アマゾンで売れたときの粗利はアマゾン手数料(一般的に15%)控除後の5%、125円。
メジャーな通販サイト、特にモール機能のサイトでは同じ商品を複数の売り手が販売しています。
同じものを売っているアマゾンの他の出品者がいる以上、粗利20%がいいところ。アマゾン手数料後の実際の粗利は5%。事務コストを考慮すれば実質粗利はゼロといっても過言ではないでしょう。アマゾン手数料が10%の場合でもそう大差ありません。
でもそんな事は普通の現象で、アマゾン作曲演奏によるデフレ狂騒曲のほんの序章にすぎません。
本当にすごいのは、売り手に対し毎日のように「売れていない商品の価格を見直しませんか?」という自動メールが届き、そこには当方掲載商品のいくつかが表示され、提案価格として激安価格が同意ボタンと一緒に既に設定されていて、それを1クリックするだけで最安値が随時更新されていく仕組みであること。
その商品はアマゾンが望むほどは売れていないため、そのオレンジっぽいボタンは魅力的に映ります。私も最初ははいはいと押していました。でも考えるまでもなく、アマゾンはこちらの原価を知りませんから、当方の赤字は勿論お構いなしです。知らず知らずのうちに赤字販売をしている業者さんも多いでしょう。
日本で兆円単位で販売しているアマゾンが繰り出す強力な価格下落圧力、アマゾンアイテムの多くは百貨店やスーパーその他の既存小売店でも売られているものですので、影響は決して小さくありません。
消費者としての立場からすれば「安い」が一番ですが、その安さの根拠がまっとうであるか想像できる市民でいたいと思いますし、皆さんにもそうであってほしいと思います。
売上目標のプレッシャーなどで無理な廉売がはびこっていますが、その結果つけを払わされるのは給与の上がらない作り手側の従業員であり、コスト割れ送料にも関わらず数分遅れたといって理不尽に怒鳴られる宅配ドライバーであり、諸々の社会コストを反映した適正価格でたまたま同じものを販売しているのに「暴利をむさぼる悪徳業者」とレッテルを張られる販売者であり、街の文化をつくってきた小さな売り手たちでありますが、彼ら売り手の多くは世界のあちこちで歴史の幕を閉じてしまいました。
彼らのツケ(コスト)でカネを余分に得ているのは消費者としての私達です。
私が近年コンビニで安くて良いものを買うとき、昔感じていた得した満足感が生じないのは、反対側でツケを払わされている人たちが見えるようになったからです。
デフレの水広場的定義は「カネの価値は今日より明日のほうがもっと高くなると思いこむこと」ですが、それは本来手段であったカネがその蒐集が目的化となった近代資本主義の欠点でもあります。
カネは大事ですが、それに従属するのは醜いものです。
欧米や中国、そして日本でもカネ蒐集目的の従属者が増えているように見えます。
イギリス、フランス、ドイツなどでは僕のようなことを言う人の割合がそれなりに、マイノリティながらも存在するようにも見えます。
良い品物に対しては作り手に敬意をはらいフェアプライスを支払う。世界的にみて、日本の小売現場で売られているものの多くは良い品物です。
フェアプライスでの取引が増えていくためには、私たち消費者自身がもっと他者にフェアで大人になる必要があると思います。
No miracles in water business
湧水を無処理で販売するRaw Waterがシリコンバレーで人気という記事がありました。
いんちき商売という批判が多いようですが、水広場的にはその根拠薄弱な高価を問題視します。
他方、その水が人体に安全かどうかは採水地点により、必ずしも安全でないとは言い切れません。
ただし、安全な湧水だったとしても、採水して時間が経過したものは菌類など生物的作用で採水時の水とは違う水になっているでしょう。
自然のままである価値を提供するのなら、結局は湧水地点に出向かせることに帰結します。
水道にしろミネラルウォーターにしろ雨水浄化など最近のベンチャー動向にしろ、一般生活者を相手にするかぎり水事業は超過利潤が得られるものではないことを私が気づくのに10年ほどかかりました。
水の本質から、水ビジネスは長期安定性を追及すべきもの。
自然水の活用に戻ると、ちなみに10年ほど前に提唱した水広場的なソリューションは、身近な湧水や地下水を簡単かつ健康的に処理するものです。
生物浄化の権威、中本信忠先生から直接学んだ生物浄化システムを使った、個人版のマイクロ天然水供給システム。
Wellverdeと名前までつけましたが、当該機器の販売に関する資源ノウハウが無く、実現に至っていません。
このシステムがあれば勿論ミネラルウォーターやいんちき湧水などを買う必要はなくなり、水道利用量も下がります。
他方、水質や栄養成分を選ぶことはできず、そこはその場所次第ですが、地質図その他のデータがありますので、事前におよその水質は予測できます。
お気に入りジャーナリスト
https://www.ft.com/
水広場の堀内お気に入りの経済ジャーナリストの一人、Financial Timesのマーティン・ウルフ氏。
日本経済について中立的で正確な分析をしています。
昨年末の記事では日本の二つの課題について持論を展開。
・生産性
・政府債務
生産性は一般に指摘されているとおりと氏は指摘。
(水広場的には少々異論。生産性向上は雇用喪失と紙一重。まず欧米式の合理性だけを尺度にしてはいけない。生産性向上を議題にするならまず公的部門、公的部門では向上というより改革的インプット削減が必要と考える)。
他方、政府債務については対GDP(グロス&ネット)で多いように見えながら日銀や国民が貸し手であることなどから深刻視しておらず、その点は水広場も同感。ただし関連会社や同胞からとはいえ借金は借金。
問題解決に氏は経常黒字の拡大や民間投資消費の拡大の選択肢を挙げながら、前者は相手となる世界が承知せず、後者は企業は国内投資の余地は少なく個人消費も貯蓄率が下がっている現在、難しいと指摘。
氏は、膨大な政府債務は巨額の民間資金余剰を写しており、解決策は貯蓄に課税することだといいます。水広場的には賛成ですが二重課税の問題をクリアするための知恵が必要で、利益をあげながら支払給与総額が上がっていない企業の内部留保を対象としたり、長期定期預金を撤廃したり、様々な知恵があるのではないでしょうか。
いずれにせよ水広場的には、今の日本においては消費低迷が大問題だと考えています。
それをもたらしているのはデフレ同様、低賃金・サプライチェーン構造・シェア至上経営というのが前からの私の持論です。
低賃金対策の本丸は同一労働同一賃金、派遣制度の廃止、労働流動性の創造(労働者は転職しやすく、解雇ハードルも下げる)、株主利益最大化からステークホルダー全体の利益最大化への脱却。これらは政治マターでもあり、企業努力だけではどうしようもありません。
サプライチェーン構造、例えば食品セクターでは川上製造側が無数の小規模企業、川下小売側が少数の大企業、価格にはフェアバリューを下回る圧力がずっと居座っています。
同じく低価格が問題だった運送業界は大手の1社(佐川急便)がアマゾンと手を切ることが発端となり、今はフェアプライスが浸透しつつあり、そのようなまっとうな行動を大手食品飲料メーカーがとれないのは川下絶対の不健全なサプライチェーン構造も一因でしょう。
「デフレは貨幣現象だからお金を増やせば解消する」という理論は少なくとも日本では誤りであったことがわが国での今回の実験で証明されたといってよいでしょう。政府に影響するような賢いとされるエコノミストの方達には価格決定の仕組みを一から勉強してもらいたいものです。
シェア至上主義も大手企業の一角が是正に動かないことには変わりません。食品業界のみならず、成熟産業でありながら日本企業は利益より売上がより重要な経営目標だと思い込んでいるふしがあります。
自社だけでなく、横のつながり(業界団体)だけでもなく、川上から川下まで縦全体の付加価値創造に奮起してこそ真の経営者。簡単にいえば三方良しの精神。
低賃金と社会コスト増加に帰結するだけの赤字廉売の横行など、短絡と弥縫が延々と見られる私たちの業界ですが、それらに負けない方策を考え、日々の努力を重ね、一歩一歩進んでまいりましょう。
若水と福茶
元旦のまだ暗いうちに井戸から水を汲む儀式が若水汲み。
その若水で沸かしたお湯で淹れるのが福茶。
元旦に飲むと万病をはらうとされます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
偽善、排他、分断
本当はフェイスブックを使いたくありません。
世の中の人間がそれを使えば使うほど、「排他」と「分断」をもたらす仕組みであるから。
そもそも他人の作ったプラットフォームで誰かと「友達」になるというのが胡散臭いからでもあります。
友は数ではありません。真の友は一人いれば十分、ネットで共有する必要もありません。
女性の場合はよくわかりませんが、男同士の友人関係なら何十年連絡なくとも陳腐化しません。
人に勧められて僕個人のアカウントは作ったものの、やはり上記の理由でほとんど使っていません。
会社としての水広場サイトのフェイスブックアカウント、私も管理者としてたまに投稿したりしていますが、正直、ピンときていません。
グループを作らず全ての人に情報を発信するBLOG形式やSNSでもTwitterなどはまだ分りますが、つながったとされる間でのみ情報をやりとりする仕組みは世界版の村八分生成装置です。
アメリカのオバマ前大統領がSNSは社会を分断する恐れがあると言ったとか。
やはりこの人は偽善の塊。下品なのは閉口ですが、偽善と距離を置いたトランプの方がまだましかもしれません。
偽善情報と毒のはけ口、それがSNSの帰結。
水広場的価値観で、少し距離を置きながら付き合っていこうと思います。
名水認証 認定第2弾 日本にもあった「ルルドの泉」?
三波川変成帯にある巨大な鍾乳洞窟で湧く、珍しい特徴の健康鉱泉。
海洋酸性化
気象庁によれば、地球の海のpHは現在8.1の弱アルカリ性だが長期的に低下傾向となっている(海洋酸性化)。
東経137度の北半球でみた場合、どの緯度においてもpHは低下トレンドをたどっていて、また南側(赤道に近い)が北より相対的にpHが低いというデータが公表されている。
水に炭酸を入れると酸性化するよう、海洋酸性化の要因は大気中のCO2。
このまま酸性化が進んでいけばいつか海中の様相は一変しているのでしょう。