国策としての水輸出

ルーマニアが国として天然水を輸出する計画をたてているという。

民衆が「revolution」と表現するチャウシェスク政権崩壊後、それまで当然のように国有でだったミネラルウォーター会社は民間に戻され、それから四半世紀が経った。

今、国が民間メーカーに参画し、ルーマニアの水を中東などに売り込みたいとのこと。

時代の潮目にも見える。

ここまでなら経済の話。

これからは水も資源外交として政治外交の領域に浸みこんでいくのかもしれない。

空気の値段が水より高い国

カナダのロッキー山脈で採水ならぬ採気した空気が中国で売れているそうです。

ロッキー山脈のどこか知りませんが、多分高い場所なのでしょうが、そこに7.7Lサイズの缶を持ち込み、自然に空気が入り、出荷するだけ。

その一缶の値段が100人民元という。高級宅配水を遥かに凌駕する値段。

公害のコストというべきか、奇天烈商売というべきか。

http://www.therakyatpost.com/world/2015/12/16/chinese-buying-bottles-of-fresh-air-from-canada-costing-more-than-petrol-or-mineral-water/

ミネラルウォーター新基準

通信でも書きましたが、厚生労働省は来年からミネラルウォーターの検査基準を大幅に変更します。

弊社も複数の輸入水を輸入するものとして、そして数百の水を販売する業者として、お客様に正確な情報を伝達する義務があるため、また、改訂による経営上の不利益を確かめるため、公表書面では理解できなかった諸項目を検疫所に聞きに行きました。

今回の変更の最大の柱は、ミネラルウォーターを「殺菌済み」と「無殺菌」の2種類に大別し、殺菌済みのミネラルウォーターは39項目を毎年試験する義務が生じ、無殺菌のミネラルウォーターは毎年14項目を試験する義務が生じるもの。

最初は直感的に理解に苦しみました。公表された内容を見たところ、殺菌済みの39項目には塩素消毒をしなければ発生しえないと考えられる化学成分が複数見られたため、ミネラルウォーターでそれらを調べる意義が正直分からず、ひょっとして51項目の義務がある水道局からの圧力か?などと邪推していました。

検疫所で伺ったところ、塩素消毒の派生物質など、殺菌済みの水にこれだけの検査負担を強いる理由は、「水道水を使ったミネラルウォーターが見られるようになったため」ということでした。

確かに、世の中には信じられない商品も溢れています。水道水をROなどで徹底的に浄化してボトリングし、売っています。水広場ではそのような商品は原則として扱わず(浄化後に水素などを充填するものは別ですが)、天然性を重んじた運営をしています。水道水を詰めて水道水の何倍もの値段で売る愚、全く理解できません。であれば水道水そのものを飲みましょう。

今そこにある水危機



http://www.theguardian.com/environment/2015/aug/27/middle-east-faces-water-shortages-for-the-next-25-years-study-says

中東の水不足

中東の水不足はまだ数十年続く見通し。

シリアでは水の奪い合い状態のようです。

今はさすがに我々個人では助けに行けない地域。

10年程前、イラクのサマーワではキャプテン翼を描いた給水車を自衛隊が走らせ、現地の子供たちは余計に喜んだといいます。

今でもヨルダンなどで給水を支援しているようですが、水をはじめととすライフライン確保という後方支援、日本がもっとできることは本当にないのでしょうか

自家発電工場

水広場がドイツから輸入する超ミネラル水「エンジンガー」の新ラベル。

変わったのはSolar Foodというマークがついていることです。

エンジンガーの工場ではフリッツ社長の号令のもと、全ての電力を太陽光自社発電に切り替えています。

今度会う時には自社発電に至った顛末と現状を聞いてみたいと思います。

水ブランド戦略

過日、山梨県の水戦略策定会議に出席しました。

ミネラルウォーター生産量は4割と断トツで日本一の山梨県。

その事実にも関わらず、水のブランドという点においてはもっと得られるはずのものがあるはず。

その乖離を埋める作業といっても良いかもしれません。微力ですが、アドバイザーの一人として責任を感じます。

首都圏の人たちが持つ「水」のイメージにおいて、山梨は長野の後塵を拝するデータが紹介されています。

それはどういうことか?

南アルプスの天然水やイロハスを長野の水と(勘違い)認識し、つまりミネラルウォーター銘柄から長野の水のイメージがよいと感じているわけではないように思います。

山脈、高原、そして安曇野、上高地、白馬、軽井沢などの自然を魅力につけたリゾートの存在。

それらが有機的に脳に作用してよい水のイメージを醸成している面があるのではないでしょうか。

いずれにせよ、これらは【イメージ】の世界であり、イメージを改善するには自然を守り、水循環を良好にし、自然リゾートの魅力を効果的に発信していくという帰結でよいのだと思います。水循環を守るという普遍的行為を真剣に実行していけば副産物ではありませんが、イメージも向上していきます。

他方、【ブランド】はイメージの先を行くものではないでしょうか。認知と価値を伴うもの。体験なり消費なりにそれなりの対価を支払えるもの。産業と雇用を生み出すないし支えるもの。それがブランドと考えます。私たちの宿題はまさにそのブランドをどうつくるかです。

単なる流行ではブランドは築けません。 誰もが認める、確固たる「価値」をつくる必要があります。

つまり、まずはその価値のありかを定めることだと考えます。

イメージ面からスタートするならば、他と一線を画す優れたイメージの所在とは? 例えば、自然景観というのも良いのですが、隣県との差別化、独自の価値が感覚的に伝わるところ(=ブランド)まで持っていけるでしょうか? ブランド戦略というテーマであれば難しいものと考えます。

ミネラルウォーターの生産量日本一。この事実は差別化要素。なぜメーカーは山梨の水を売るのか。ストーリー化し、それをずっと我慢強くPRすることでブランドの姿が見えてくるのでは。効率よくPRするなら、例えば世界の水メーカーを集めるイベントを毎年開くなど。テイスティングコンクールで世界一うまい水を決める。集客もさることながら、真剣に水の味くらべに徹することで老若男女の味覚を呼び覚まし、水のありがたさを再確認する。ど田舎のバークレイ・スプリングスに世界からメーカーや水道局が集まる例もあります。

世界を見渡せば、水ブランドをもつ地域っていろいろありますね。自然景観と療養泉がありますが、後者において欧州などでは浴すだけでなくて飲泉もセット。ベルギーのSPA、コントレックスビユなど、ミネラルウォーターブランドとテルメの名前は一体で地域ブランドになっています。隣各県と比較し山梨には温泉が少ないのですが、冷泉比率が高い。欧州のテルメも冷泉が多い。家族男女一緒につかる。欧州に負けない水資源の山梨。ウェルネスツーリズムに水を活用する可能性を探ることは無意味ではないはずです。それはある意味では明治時代に回帰することでもあります。

水循環、水質保護に関する独自の管理、認証制度をつくり、常にデータをオープンにし、優良な会社、自治体を表彰する。勿論PRは欠かさず。そんな取り組みを何年か続けることで山梨=良い水を守っている県、という認知となり、それは山梨の水の価値化につながります。

まだ端緒に就く段階、これから他のアドバイザーの皆様方と共に、こちらは大変微力ながら、少しでも力になれればと思います。

ケンフェ!?

ヨーロッパが物騒です。

僕が記憶している90年代の欧州とは違った空気に満たされているようにも見えます。

僕があちらに居た頃、最初は93~95年のドイツ、僕にとって直接的に物騒な主役はネオナチでした。

デュッセルドルフの自宅から毎日ケルンのオフィスに通勤、月に一度ぐらいのペースでハンブルグに出張していた頃です。

ゾーリンゲンではトルコ移民の女性たちの住まいが焼き討ちにあい、数人が死亡。

ちなみに私はそのアメリカ資本ドイツ現法に勤務する唯一の日本人、唯一のアジア人、そして唯一の有色人種でした。

とある出張。ハンブルグの日本商社とのアポイントを終え、社用車のフォード・スコーピオで市内を観光気分で運転していたら、繁華街の一角に迷い込みました。カーナビは勿論ありません。

路地の迷路を迷った末に出た先は、100人ぐらいでしょうか、スキンヘッドに鎖チャラチャラのネオナチが集会をしていたところでした。そのど真ん中に鼻が突っ込みます。

一方通行でバックはできません。

まずウインドウを閉めます。ナイフを出し睨むネオナチたちが車を囲む状況。

打開するため、とにかく誰とも目をあわせず、間違っても彼らの足を踏むことのないように、3センチ、5センチと進んでいくわけです。こちらはいつものように一人。誰も助けてくれません。

その後の詳細は記憶にありませんが、今生きているということはそこを無事に乗り切ったということになります。

その顛末をケルン支店のボスに伝えました。ユルゲン・バーマンさん。彼に英語でまくしたてたことだけは覚えています。

「バーマンさん、ハンブルグで死ぬかと思った」

ここで言いたいことは彼がその後に発した一言、それだけかもしれません。

「ヘア・オリウヒ(Herr Horiuchi = Mr.Horiuchi)。 ケンフェ! You had to  ケンフェ!」???

ドイツ語能力が不足していた私はその瞬間はよく意味が分かりませんでした。「ケンフェって何?」

その後で辞書で調べたら、「戦う」という意味であることが分かりました。

あの状況で、こちらは一人であろうと彼らに立ち向かうべきであったらしいのです。

その後もいろんな場所でなぜかネオナチたちには囲まれ、都度、車から出ることはありませんでしたが。。。こっちは一人だし。。

日本人やアメリカ人の上司からは得られない珠玉のアドバイス。。。

ニュージーランド水源



2004年、ニュージーランドの水源を5か所を巡り、断トツのブルースプリング源泉の鉱泉水を商品化しました。

それから11年。最近は新たな水源工場が稼働を開始しています。

その中のひとつがカウリ・スプリングス。北島北部の自噴湧水をボトリングしています。僕は今回初訪問。

運営会社トップのグレアムさんは60歳超のベテランでありながら起業家精神豊富で、水など、ナチュラルな製品づくりに励んでいます。

奈良の名水



ごろごろ水で。

日本の347万世帯で広がるリスク

上水道の鉛管の撤去が遅々として進んでいないようです。

2014年3月時点で香川県では約3分の一の世帯、石川県4分の一、福井県が2割余りの世帯で鉛管が使用されていることのこと、全体で少なくとも347万世帯でいまだに鉛管が使われているようです。

アイルランドでの同様の問題を以前指摘しましたが、かの地では税金で補助をという話になりました。日本の場合、自宅敷地内の 給水管は自分が管理するものとして、個人まかせ。

子供の認知機能の低下など、鉛にはリスクが指摘されています。そのリスクが顕在化に向かって着実に拡大しているということです。