12世紀以来の長期干ばつ
NASAによればアメリカに12世紀以来の本格的な長期干ばつがやってくる可能性が高いらしい。どちらにしろ、水の価値は今後下がることはなさそうだ。
http://www.bbc.com/news/science-environment-31434030
東京都公立学校美術展覧会
東京都公立学校美術展覧会が東京都美術館で開催中です。
水広場少年部による造作、「近未来タワー」も出展されました。
絵の部門で目を惹いた2点はたままた水広場のスター地点の千駄木小学校の児童の作品。
小学生の色づかいで心が癒されるという、初めてで幸運な一時でした。
モルディブの水不足(2)
12月7日に投稿したとおり、インド洋のモルディブの水道施設が焼け落ちてから水不足が続いています。
早くから中国、インド、アメリカなどが飲料水供給などの支援に乗り出し、タイも資金援助に名乗り出ています。
でも日本の支援に関するニュースがなかったため、私は12月8日に外務省に日本政府としての姿勢を問い、「何かしないといけないのでは」といったメッセージをHP上で書きこみました。
モルディブ政府によれば、日本からは民間(日立製作所)による支援が12月中旬に発表され、日本政府からも専門家派遣と資金援助があったようです。
そんな中、モルディブに日本大使館新設のニュースが入ってきました。
災害経験豊富であることは日本の比較優位性ですから、血税は大使社交の高級ワインから災害人道支援に廻して頂き、他のどの国よりも早く効果的な支援をする国を目指してもらいたいものです。
あけましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます
本年が皆さまにとって最良となりますよう、祈念しております。
2015年、本年も宜しくお願いいたします。
堀内
お世話になりました
大晦日。
皆様のご支援のおかげで水広場はこの年末も無事迎えることができています。
2月の大雪による倉庫崩壊以来、ピンチ連続の年としてずっと記憶に残る2014年ではないかと思います。
信頼ある取引先、忠誠なスタッフ、金融機関、いろいろな方に支えてもらいました。
来年はもっと多くの人たちに名水をお届けし、もっと健やかに、もっとQOLを高めるお手伝いをしていきます。
本年の一方ならぬご厚情に深謝するとともに、来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
皆様、良いお年をお迎えください。
水は地球内部から来た!?
地球の水はどこから来たか? 永遠にすら見えるこのテーマに一石を投じる内容がオハイオ州立大学の研究者から発表されました。
「水は宇宙空間から来ただけでなく、地球内部がつくっている」
簡単に言えばマントル内部の水素が酸素と結びついて水となり、マントルの動きにより地表に出てくるというものらしい。そして地表からマントル内に吸い込まれる水と壮大な水循環サイクルを形成している。ガーネットが水を運ぶ媒体になっているとも。
彼らの研究によると、マントル内の水素含有率は非常に希薄ながらマントル自体の量が膨大なため、マントル内部には地表の水分の約半分、太平洋一杯分の水がうごめいているといいます。
それが正しければ、これまで地殻の上部で完結していた水循環はその想定を根底から覆され、水循環の周期は億単位の年数だったということになる。
ちなみに、この研究発表の一週間ほど前、欧州宇宙機関の彗星周回探査機「ロゼッタ」による観測により、地球上に存在する水は、数十億年前に地球に衝突した小惑星に由来する可能性の方が彗星由来の可能性より高いという論文が発表されていました。
水の正体は僕らの想定よりずっと深く、もっと高いところにあるのかもしれません。
水の帝王
地味に見える水の世界。
そんな場所にも巨財を築いた人は存在します。
ピエール・パピロー。
フランス人。
今だ現役(のはず)。
水を売って個人資産を1,300億円にした男。
彼は何をしたか?
1.巨大ブランドに低コストで対抗
彼の最大のヒット作、旗艦ブランドのクリスタリン。一応天然水ですが、フランスで22か所でのボトリングを展開、地産地消により低コストで各ローカル市場を席巻。クリスタリンというブランドで微妙に異なる各水源を統一、ロジスティクスブランディングの勝利により、ダノンやネスレ傘下の巨匠ブランドを抜き、クリスタリンはフランス最大のミネラルウォーターに成長する。
2.テコに日本人を使う?!
大塚製薬さんが彼の会社に49%出資し、51%を持つ彼の資産価値は膨れ上がります。当時売上1,200億円の会社のマイノリティシェアを1,200億円で大塚さんは買ったわけです。売ったカステル氏はホクホクだったかもしれませんが、それで終わり。もっと凄いのはパピローさんの方。
パピロー氏の機知、パワー、実行力、パートナー戦略。
マネはできませんが、良い教科書にしたいです。
モルディブの水不足
インド洋のリゾートで有名なモルディブ、最高地点が海抜2.4m、飲料水は海水淡水化でまかなわれています。
その淡水化施設が火事になり、いま水不足で大変なようです。
インド、アメリカ、中国などの緊急支援隊が飲料水を届けているようですが、市民の混乱が続いているとのこと。
日本の外務省も対応しているはずですが、そうでなかったら甚だ情けない話だ。
Giant trevallyフィッシングを夢見てずっと憧れてきた場所が今水不足の緊急事態となっている。
今のところ当社は力不足で何もできていない。日本から水を運ぶのなら多少提供できるものはあります。
温泉、飲泉、ヨーロッパ。
それなりに前の話ですが、チェコにある欧州屈指の温泉地カルロビ・バリ(Karlovi Vary)を視察しました。
プラハからバスに揺られてボヘミアのど真ん中へ。
温泉といえば私たち日本人は浸かるものと思いがち、勿論あちら欧州でも浴しますが、飲むんですね、どちらかというと。特にカロロヴィ・ヴァリは飲泉のメッカ、塩気と苦みが強烈に主張しあう普通の日本人が毛嫌いしそうな鉱泉水を飲みに世界中から訪れます。
現地の人もそれが美味しいから飲んでいるわけでもありません。治療で飲んでいるのです。
腎臓、肝臓をはじめ、各種臓器の各種疾患に利く源泉がいつくも並んでいる、それがカルロヴィ・ヴァリのすごいところ。
持病治療のためにこの療養泉を求め、あるいはボヘミアの森に宝石然と光る瀟洒なリゾートに魅せられ、世界中から多種多様な客が集まります。僕が行ったときは中国系の団体客が押し寄せていました。
事情を知る人に聞くと、最近は日本人客があまりいない模様。理由は簡単、経済、通貨。
円安は相対的に日本のGDPを下げ、今や中国の半分、一人当たりGDPは先進国最下位の水準になりました。日銀による空前の円供給戦略ではエネルギーを除いた消費者物価Iは上がらず、需給バランスがより直接的に影響する通貨市場では因果明確に円安になりました。円安で割安になった日本の金融資産を外国人が当たり前のように買い、前から株式を持っていた日本人の富は増加し、また資源輸入国である日本のエネルギーコストも当然のように増加しました。
歴史上、今の日本と同等であるGDPの2倍規模の債務を積み上げた数少ない国のひとつにイギリスがありますが、イギリスは超インフレを起こし実質的に借金を棒引きさせ債務問題を解消しました。今の日銀の場合、経済が成長せず、増税できなければ、高度のインフレしか借金を減らす方法はない、といっているようにも見えます。
ボヘミアの深い森にも見られる日本の没落。平成元年就職組としては忸怩たる思い、しかしそれに留まらない複雑な心境にさせられます。
そんな時は、カルロヴィ・ヴァリを発見したカール4世にでも想いを馳せてみますか。
プラハで生まれ、若くから今のフランス、イタリアを渡り歩いたボヘミアの父でありドイツの王だとか。
どんな人だったのだろう?
僕のカルロヴィ・ヴァリ紀行は名水めぐり「マットーニ」編をご覧ください。
https://www.mizuhiroba.jp/meisui/sp/mattoni.html
中国の水問題をどう捉えるか
中国の水質問題は多くの人が知るところ。水道水はそのままでは飲めず、水道水や井戸水をろ過したボトルドウォーターが町中で売られています。
ところで、エコノミストなどの記事によれば、水質以上に懸念されるリスクが水量だということです。
中国の西部、南部が水の主要産地である一方、中央、北部、沿海部では水が足りていません。中国における水の使途の9割が農業と石炭鉱業であり、それらの多くは後者の地域に位置するため、深刻な水の南北格差が起こっています。
共産党ももちろん手をこまねいていませんでした。南から北に運ぶ運河を造成しました。計画された3ルートのうち、東ルートと中央ルートは既に利用開始されています。
しかしこれら運河では到底北部の水需要に応えることはできないようです。一運河で北京一都市の需要すら対応できないのが実態だといいます。
ではどうすればよいか。
ロケット飛ばして雨を降らせる? 僕には想像できません。
海水淡水化か? プラントのコストが高く、脱塩時の副産物で環境にも悪く、大規模な海水淡水化は勧めません。
こう考えてみると、いかに技術が進展しようと、水循環で土木工事と森林造成が基本であることは変わりませんね。その点で、ローマ水道を造ったアッピウスや利根川東遷を命じた徳川家康の視野を超えるのは難しいことなのかもしれません。
(図の赤い部分が深刻な水不足、緑部分が懸念が低い地域。太線が3南北運河)
欧米の専門誌は、中国の水不足の問題への解は需要管理、すなわち北部の水道料金を上げるぐらいしかないが、それは経済を鈍化させるため、今の共産党指導部にはとれない選択肢と見ています。
その見方は当方も同じです。
でもでも、本当に解は無いのでしょうか?
そんなことを考えていた時、地図上のある国が目にとまりました。その国は水資源大国。急峻な地形により豊富な淡水が海に流れる贅沢な国。そうです、お隣の日本です。
以前のプロジェクトで瀬戸内海の離島における「海底送水」を知りました。水不足だったり水道設備のない離島に海底パイプで生活用水を送るものです。
別プロジェクトでは、ニュージーランドの飲用天然水を20トンの巨大袋に入れて日本に運び、日本でペットボトルに充填する実験を行いました。
海底送水にしてもバルク輸送にしても、技術的に大きな課題はありますが、前者は洋上風力や波動発電を使えないか、後者はバラスト水をスムーズに浄化する技術で何とかならないか、豊富な経験知のあるLNGの海上輸送の応用が利かないかなど、可能性の追及には意味があります。
海底送水のポイントとしては九州~上海ぐらいでしょうか。ざっと1,000km。それを遠いとみるか、近いとみるか。遠いと見えたら、例えば韓国済州島が地理的に有利ですから韓国政府と協力するのも選択肢とならないか。
今の上海は水が豊かな浙江省があるため問題ないように見えますが、それが正しければ、いつまで続くか?
バルク輸送含め今の技術では無理、だからこそ日本が先鞭をつけるべきだと思います。例えばリタイアされた各方面の技術者の方々が知恵を出し合ったりすると決して実現不可能でないように思えて仕方ありません。
ロシアによるウクライナ一部の強奪をドイツは強く非難できないでいます。資源というのは供給側が圧倒的に優位のようで、供給者は経済的利益と安全保障の両面のメリットを得ています。
森林7割で降水に恵まれ、過去の公害を乗り越えた淡水大国の日本と、これから深刻な水不足が避けられない中国。
国力において相対地位が逆転し、経済と安全保障の両面で日本はより戦略的に中国と付き合っていく必要があるように見えます。
水広場的な戦略とは、相手を顧客にすること。そして商品は顧客にとって代替の利かない資源。
中国の水不足という事象に対し、ろ過技術の提供といった小さな話もいいですが、上記2案の現実性はともかく、日本はもっと戦略的に捉えていくべきです。