iTQi

モンドセレクションと並ぶ味覚の品評組織で、食品飲料のミシェランとも呼ばれるiTQi。

ヨーロッパの名だたるシェフやソムリエ達が審査員。ブラインドテストだから本当に味の勝負。

iTQi創設者で会長のクリスチャンが日本人担当者と2月に日本に来ることになった。

1年ぶりの再会を楽しみにしています。

ガス抜け

ガス入りの水で、特にペットボトルに入っているものは、時間とともに炭酸が抜けていく。

サンプルとして賞味期限後も保存しているモノの中から、ボルセックで試す。

採水後2年ほど経ったものをピック、飲むとガスが抜けこの水特有の活力が無くなっていることが分かる。

しかもボルセックは天然の炭酸だから、ガスの抜け方もボトルそれぞれであったり。

グラスボトルは3年経過後のものでも炭酸が効いている。

天然炭酸水は瓶がお薦め。

水不足

バングラデシュは水不足。

暑いのに、洪水ばかりで衛生的な飲み水はとても貴重だ。

そこに、安全な水源地を確保してミネラルウォーターをつくるプロジェクトがある。



 

 

 

 

 

 

 

 

水源は確保できており、200m地下から水が噴出している。

しかしこれから工場を建てなくてはいけない。その目処がつくよう、こちらは頑張るしかない。

街は日の出から遅くまで喧騒まみれ。そこに砂埃、異臭が有機的に絡む三重奏。

皆が矢のよう。前しか見ていない。人生しかり、運転もそう。

数十年前の日本人もそうだったはずだ。運転以外は。



 

 

 

 

 

 

バングラデシュは水道インフラの遅れと地下水のヒ素汚染というダブルハンディを背負っている。

水道水は煮沸なしでは飲めない。20Lのボトルウォーターもあるが、無認可認可が入り乱れ無秩序な状態。うちひとつの工場を視察。フィルターとROとUVで処理した加工水を製造し、20Lボトルに手でつめている。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

前しかないので、自然と後ろや横を見なくなる。彼らを一瞬羨ましく感じた。

富士は水でも日本一

富士山は水源工場の数でも日本一。

お世話になっている社長さんと富士吉田側の水源工場を視察。

火山岩、特に玄武岩がベースであることが富士山の特徴だ。

富士吉田は秦の徐福ゆかりの場所でも知られているらしい(私は初めて知った)。



 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

地元の味を満喫しながら、日中関係の発展を祈念。

地下600mの魅力

岩手県を縦断する北上山地の水源探訪。 今回は大峰山地下600mの坑道にある水源の現場を訪れた。



 

 

 

 

 

 

 

 

釜石鉱山。日鉄鉱業の子会社で、かつて新日鉄(現名)資源部門の一翼を担った鉱山を持ち、現在はその歴史的鉱山を管理しながら、山頂地下600mでほとばしる唯一無比の鉱泉水をボトリングしている。

その水は鉄を錆びらせない。アルカリ性の清冽な軟水で、有名な医学者も推薦する健康水だ。ボトリングされ、仙人秘水という名で販売されている。

 

出発。



 

 

 

 

 

 

 

トロッコに乗って坑道に入る。





 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタガタゴトゴト500mほど進む。



 

 

 

 

 

 

磁鉄鉱石、磁銅鉱石、そしてガーネットが連なる層

 



 

 

 

 

 

 

 

 

亀裂から水が伝う。鉱夫達はこの水で体調を管理したという。

 



 

 

 

 

 

 

銅鉱石。金色に光るのが銅。「金ですか?」と聞いてしまった。銅の含有率が高いことが特徴だ。

 



 

 

 

 

 

 

磁鉄鉱石と磁銅鉱石に磁石が張り付いている姿。強い磁力を備えた岩であることがわかる。右は石灰岩。

 



 

 

 

 

 

 

音響試験の空間。響きの間。前週には80歳の女性がここで18番を歌っていったという。

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山の魅力は中にある。堆積岩と火成岩から創られたこの山の中身は雄大で荘重だ。

大峰山の果肉は町を潤し、釜石は栄えた。磁力を備えた鉄鉱石、高含有の銅鉱石、果肉の甘さは何も変わらない。

その一方で相場がすべての命運を握っている世界。変動と固定。過去と未来。

いとしのバルカン

ハンガリー西部のアルミナ工場で発生した有害泥土の流出事故。ドナウ川流入を防ぐため政府が全力を挙げている、とニュースにある。

幸か不幸か、水広場ではハンガリー産の水、または今回の影響が及ぶ可能性があるというドナウ下流地域の水は扱っていないため、本件で対応に迫られることはない。とはいうもの、東欧の美味い水を知る立場としては、バルカン半島の自然を切に願う。

東欧の名水にもいろいろあるが、我々の知る限りではカルパチア山脈が抜きん出ている。そのカルパチア山脈の雄がボルセック(BORSEC)。よって水広場的にはボルセックを東欧の筆頭に挙げる。

ボルセックが世界で愛される理由は単純。美味いからである。天然炭酸水の登録銘柄数でいえばドイツ、ガス無し王国日本にだって大分や福島に良質の天然炭酸水はある。しかし、ボルセックの味は他と違うところにある。

ボルセックは村全体が鉱泉の宝庫で、泉質が異なる20箇所以上の公設飲泉場では誰でも自由に汲める。そのほとんどが重厚なミネラル構成の硬水で、天然炭酸水が多数。飲泉場のひとつひとつの個性的なつくりはルーマニア民族衣装を思わせるチャーミングさ。その一方で、ミネラルウォーター「ボルセック」の工場内では最新式のドイツ・クロノス製の機械が稼動する。


 


 

 

 

 

 

 

 

(宣伝になってすみませんが。。。 水広場ではボルセックを復活させました。「水資源大国の日本で外国の水を買うとは何事!」と眉を寄せられる皆様に薦めるとしたらこのボルセック。どちらが良い悪いでは無く、違う水が世界にはあるということです。小職も日本の水は素晴らしいと思い毎日よく飲んでいますが、ボルセックは幸福感の幅を広げてくれるものです。そのボルセック、特に瓶のほうはグルメ向けテーブルウォーターの用途が一般的ですが、驚くほど効果は多様。ちなみに小職はボルセックの快適な刺激により、ストレス無しの完全禁煙を図らずも実現してしまいました) 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧ユーゴも名水には欠かない。これまでクロアチアやセルビアの水源工場を視察したが、それらの水源地では西側基準で導入された最新設備が効率よく水を商品化していて、ベオグラードに残る傷跡とは対照的な世界。
モンテネグロも水は良い。これら国々にはとてつもなく背が高い人たちがいる。いつかNBAの外国人選手最多出身国がモンテネグロだったとも記憶している。水が影響しているんじゃないか、ベオグラードのホテルでそう思った次第。 


 

 

信州温泉(飲泉)シリーズ 2

地蔵温泉 十福の湯(じっぷくのゆ) 峠の地下深くから湧き出る高アルカリのお湯

ラグビーとスキーで知られる菅平高原にも近い地蔵峠の山腹にある「十福(じっぷく)の湯」の源泉は地下1,200メートル、そこから毎日500トンにのぼる湯量が湧出している。2010年正月に初めてその源泉を訪れた。

pH9.4という高アルカリ性の源泉の温度は38.1度、それを若干加温し、信州でも最大規模といえる露天風呂と内湯の両方で使われる。アルカリ性単純泉の泉質は無色透明で微かに硫黄臭がある。浸かっていると鼻のとおりがよくなり、口に含んでみたがクセは少なく問題なく飲めた(館内に飲泉施設は無い)。



施設入り口の両脇に冷泉と温泉それぞれの源泉が湧き出ており、飲用ではないと書かれているが両方とも問題なく飲める。高アルカリでミネラルの構成バランスも良く、抗酸化作用が期待でき、温泉は微かに硫黄の香りを覚えるものの(別所温泉で育った小職にはその卵っぽい香りが逆に好ましい)、浴用だけでなく飲用でもカラダに嬉しい源泉と思われる。



日帰り専門の温泉施設で家族連れが多く、暖炉付きの休憩所、パン焼き直売店やレストランも充実した館内は楽しい雰囲気で包まれている。冬は雪景色、夏は野草植物で楽しめる特別な環境にあり、600円はとても割安。

信州温泉(飲泉)シリーズ 1 

毒沢温泉 信玄が治療に利用させた含鉄酸性の源泉

2010年正月、諏訪湖から和田峠に向かう中山道の山間にある秘湯、毒沢温泉。麓からバリアフリーの宮乃湯、民家風の沢乃湯、高級感ある風情の神乃湯の3軒がひっそりと佇む。今回は一番高いところにある神乃湯を訪ねた。

450年前の永禄年間、武田信玄が金発掘の際に怪我人の治療に利用したと伝えられている毒沢温泉。神乃湯にある鉱泉の沿革を読むとそれは昭和9年に医薬品と見なされ、昭和12年には日本の自然湧出鉱泉中に売薬許可(第16596号)を受け効能の確かさが揺るぎないものになったという。

酸性の含鉄冷泉

鉄分などの成分で浸かった体が見えないほど濃い茶褐色の湯は、もともと特徴ある成分をもつ源泉を加熱している。アルミニウム、鉄、硫酸基の含有量が多く、浴用の効用には神経痛・筋肉痛・慢性消化器病・月経障害・慢性皮膚病などがあり、飲用の効能としては貧血と慢性消化器病によいという。浸かっているうちに肌がつるつるしてくる感じを体験し、浴場に設置されている飲泉口からすくって口にすると含鉄酸性鉱泉独特に酸っぱさが口に広がる。治療用を別としても、健常者が飲用する際は一般の水で十分に薄めて飲むほうが良い。 



フロントではこの鉱泉をペットボトルに詰めたものを販売している。野鳥がさえずる峡谷の冷気の中で、信玄の頃から続く上等なリラクゼーションを堪能できる場所を見つけた。諏訪湖の花火を見る際にも是非また立ち寄りたい。

日帰りの場合一人700円。

大分県の名水シリーズ4

男池湧水群(おいけゆうすいぐん)

九重連山の黒岳にある湧水池。静かに力強く池底から湧き出る水は川をつくり、ブナやナナカマドの原生林に囲まれた山腹に流れ出し、大分川の支流である阿蘇野川に注ぐ。

 

今回の訪問時(2009年12月)には取水客はおらず、静けさの中にひっそりと佇む原生林と水を独占してしまった。水を汲むのもいいが、どちらかというとその優雅な原生の空気を楽しむ価値が高いようにも感じる。

 

大分県の名水シリーズ3

白水鉱泉(しらみずこうせん)




庄内町阿蘇野には天然炭酸水が湧くスポットがいくつもあるが、その中でも最大級の有水量をもつ白水鉱泉。湧出時の温度が8℃という冷泉で、活力ある天然の炭酸を含む湧水が蛇口からあふれだす。実は大正5年から歴史のある名水で、飲用の認可をうけて当時の海軍などに供給されていたという。

 

カルシウムとマグネシウムのバランスがよく、遊離炭酸を620mg/L含む成分構成は日本の天然水としては貴重といえる特性を持っている。蛇口から流れるその天然炭酸水は美味の一言であった。