大分県の名水シリーズ2
岩井高地地下深層水 竹田から同じく名水百選である男池(おいけ)湧水群に行く途中の阿蘇くじゅう国立公園地域の庄内町は天然炭酸水の宝庫。その中のひとつである岩井高地地下深層水は、深い岩盤下が水源の鉱泉水。 蛇口から勢い良く流れ出した天然水を口に含むと、ほのかな炭酸が入っているのが分かる。成分としては陽ミネラルイオン豊富で硬度は160といい、中性の水だ。日本では稀なる特徴ある水といえる。
大分県の名水シリーズ1
水の良い大分県の中でも有名な竹田湧水群。滝廉太郎の楽曲で知られる岡城跡が望む城下町の一角にある湧水群から、きれいな水が湧き続けている。
代表的な泉水湧水と河宇田湧水はそれぞれ近隣に位置し、両方とも取水に来る人たちが絶えない。泉水湧水に汲みに着ていたご夫婦に伺うと主に毎日の飲用に使うとのこと、菌の心配は無く長期間放っておいても安心して飲めるという。河宇田湧水でははるばる宮崎から軽トラック一杯のポリタンクで汲みに来ていたご家族も。2時間以上かかっても2週間に一度は必ず飲料水として採水に来られるという。
熊本県の名水シリーズ3
菊池川上流の源流一帯は菊池渓谷と呼ばれ、水源から湧き出た澄みきった清水が広葉樹の原生林に守られ流れ落ちている。
歩道もある川沿いを歩き、1kmもあろうかと続く渓谷美の世界は入り組んで複雑で見る人を決して飽きさせず、透明感が包む冷気とざあざあと流れる水音にも変化があり、大自然による一級のエンターテイニングな世界を味わうことができる。
熊本県の名水シリーズ2
大分県境に近い位置にある産山村(うぶやまむら)には良質な湧水スポットが複数ある。池山水源はその代表で、取水に来る人たちが途切れることが無いかのように次々と訪れる。
その池山水源自体は名水百選でもあり既に広く紹介されていることから、今回【水広場】的には、池山水源の周辺にある隠された湧水スポットを紹介する。
その湧水の取水場は山間の比較的平地なところにあり、取水に訪れるにはぴったりの環境。この日は久留米から来られた方もあり、話を聞くと、お茶を入れるのにとてもよい水なのだそう。他の方は炊飯にとてもよいと勧める。有害な菌類が無いのか、生水(きすい)のままでも何ヶ月ももち、半年後に飲料水としてそのまま飲んでも美味しく頂けたとのこと。
湧きたての新鮮な池山の水を口に含むと、冷たいながらもほのかにミネラル感が伝わる味わい。
熊本県の名水シリーズ1
市町村合併で2005年に南阿蘇村になる前は【白水村】と呼ばれ広く知られてきた名水の里にある有名な湧水池で、熊本県を流れ有明海に注ぐ一級河川「白川」の水源がここだ。池の底から勢いよく湧き出す天然水の量は毎分60トンといわれ、その圧巻な大地力を間近に感じられるこの場所は神々しくもあり、脇に佇む白川吉見神社と一体となり自然で厳かな清涼感あふれる空気が漂っている。
売店で空ペットボトルを購入し、湧きたて新鮮な白川水源の水をすくって口に含むと、軟らかく優しい天然水の風味に潤される。そこでしか感じられない味というものを実感する次第。年間降水量が3,000mmを越えるという多雨の阿蘇五岳に降り注いだ雨雪が、日本の地質百選にも選ばれた稀有な阿蘇の地下層でゆっくり磨かれ、適度にミネラルを吸収し、晴れてこの池の底から湧き出る。その湧きたてホヤホヤの白川水源の原水は一味も二味も違い、それを知る人たちが熊本県内外からポリタンク持参で集まってくる。強制はされないが取水に訪れる人たちは1回100円を支払い、それは水源維持に使われる。
石川県の名水シリーズ4
古和秀水 (こわしょうど) 石川県輪島市門前町 【昭和の名水百選】
清々しさを感じる水場
輪島市街地から国道249号線を30分ほどで高尾山に到着、急峻でくねりの多い高尾山の狭い山道を登っていくと、澄み切った空気と野鳥のさえずりに包まれた静かな広場に辿り着く。
正面から連峰を一望できる高さであり、澄み切った冷気が心地よい。
町営の森林学習ハウスや親水公園を望む場所にひっそりと佇むのが古和秀水。
この湧水は名水として古くから知られ、もともとは総持寺の開祖の瑩山禅師が竜神から寄進されたと伝わる。
飲用の水場ではこの霊水をじっくり堪能できる。静寂の中、こんこんと湧き出る水の姿からは人間世界から一定の距離を保つかのような清々しさ(すがすがしさ)を感じる。すくって口に含めばスぅ~と体内に浸みこむ美味しい水であることが分かる。
石川県の名水シリーズ3
藤瀬の霊水 (ふじせのれいすい) 石川県七尾市中島町 【平成の名水百選】
「病の治る水」と伝えられる
能登有料道路を下りてすぐにある標識に他の観光地と並列で藤瀬の霊水の方向が矢印で示されていて、この名水スポットの知名度の高さが既に伺える。
水場周辺は公園として整備されており、とてもきれいで気持ちが良い。駐車場に隣接する案内所では地元名産の販売も行っており、きれいな水で作られた中島菜は特にお薦めだ。
「病の治る水」として知られる。重度の神経痛に悩まされていた国重文指定座主家当主が、ある夜枕元に現れたという月光観音の指示に従い裏山の水を飲み続けた不自由だった手が回復したという。この話が伝わり、遠くからこの健康水を求めて取水客が絶えない。
実際に試してみると、クセがなく喉越しもスムーズでとても飲みやすい水であった。
石川県の名水シリーズ2
御手洗池 (みたらしいけ) 石川県七尾市三引町 【昭和の名水百選】
赤倉山 杉林の奥のオアシス
全国に御手洗池と命名された場所は多数あるが、こちらの御手洗池は環境庁により昭和の名水百選に選ばれたもの。
聖武天皇の東宮が眼病の治療に使用されたと伝えられる霊泉で、夏でも神々しい冷涼感に恵まれた赤倉山はその随所に神社の面影を漂わせる。
御手洗池には赤蔵山の杉林を涵養林とする湧水がたたえられている。時々野鳥の鳴き声が行き交うだけの静寂に囲まれてひっそりとした表層を見せるが、地下では豪快な水量がゆっくりと動いているはずだ。
石川県の名水シリーズ1
十却坊の霊水 (じゅっこうぼうのれいすい) 石川県鹿島郡中能登町瀬戸
中世から伝わる健康水
採水客は引きも切らず、この日は新潟県からの来客もあった。
手にすくい口にすると冷たすぎず程良い冷水(14℃)の水本来の味わいをじっくり楽しむことができる。ほんのりとした甘さがあり、人口ろ過除殺菌なしで清涼飲料水基準を満たすこの天然水、ごくごくと安心して飲める。お茶、コーヒー、炊飯に最適な水として、飲食関係者も料理用に使う水として頻繁に訪れるという。
当地には中世の霊場、大坊黄金山十却坊があったが、戦国の兵火で焼失したと伝わる。昭和の時代に水かけ観音菩薩堂が建立され、更に平成に入り山腹を横堀りしたところ毎分300リットルもの良質な天然水が噴出したという。
葉緑素が含まれているといわれる十却坊の霊水、それが体に良いと言われ、県内外から長寿健康のためにここに訪れる。ミネラル成分がバランスよく含まれた腐らない清潔な自然水だ。
羊蹄山とニセコの名水
久しぶりの北海道名水めぐり。一番良い季節といわれる9月に行けたことが幸運でした。
北海道の名水で欠かせないご存知【羊蹄山】の湧き水、今回は大規模で公園でもある京極側でなく南側の真狩(まっかり)村の冷湧水が目的。独り占めにするために朝5時に起きて目をこすりながら到着すると、霧の中にワゴン車が一台、その脇の水場の横にポリタンクがずらり並び、男性が二人で効率よく採水をしている。飲食関係の方たちでしょうが、さすがです。
隣で一口、二口とすくい、その日最初の水を堪能。冷たさのノイズをできるだけ排除する感覚で味わいました。文句なしです。羊蹄山の湧水をボトリングしたミネラルウォーターが人気なのも壮大で絶妙な羊蹄山の自然構造を目にすれば簡単に受け入れられるでしょう。
水場は二つあり、奥のほうが大きい。大きいほうでは、豪快な落水のサウンドと微粒な飛沫たちのオーケストレーションに身を包まれ、名水、名瀑、名(空)気?のいいところを同時に体験するおまけも。
スキーで有名なニセコは羊蹄山の隣り。観光で有名な風光明媚な場所です。僕の目的はニセコの峠にある【甘露水】。かの昭和天皇が甘露と表されたことからその名称が一般のものとなった清冽な湧水です。
羊蹄山系ではなくこちらはニセコアンヌプリ系の湧き水。アンヌプリ一帯に注ぐ雨雪をその地層が軟らかに甘く冷たく磨いた結果を口にする感覚は、前夜少し飲みすぎた地ビールによる恍惚の副産物が自然に消えていくようです。