生産性って? 水広場的提唱
「メディア:菅総理の助言役アトキンソン氏に批判多数」
批判が出るのは当然で、菅氏がアトキンソン氏に従えば日本は更に貧しい国になると思います。
まず、僕たち一人ひとりが豊かになるためには、生産性を上げることは重要です。
(生産性=Output / Input、又は粗利/労働単位)
ただしアトキンソン氏が提唱する中小企業再編による生産性の上昇には重大な欠陥があります。氏の提唱通りに会社がくっつくことで重複する人員の削減を進めれば数字上の生産性は上がり、再編がマクロ統計上で有意な規模で進行したとすれば、同時にそのプラスを優に上回る失業起因トータル社会ロス(自殺、少子化進行、etc)が発生しているはずです。
同氏のロジック、生産性と企業規模が高相関であるから、生産性を上げるために企業規模を大きくすればよいとしたならばそれは誤りであり、高相関は大企業は小さい会社より生産性が高かったという単純な結果を示しただけで、企業規模を大きくすれば生産性が上がる因果関係があるという事ではありません。当たり前の話、生産性はいろんな要素に左右されるのです。
では今の日本に適した生産性上昇の道筋とは? 水広場的にずっと提唱してきたとおり、冒頭の生産性の式でいえば分母ではなく分子。粗利拡大です。
1.公的有効需要の創出(介護従事者の準公務員化と報酬倍増、等)
2.フェアプライス販売(過当競争下での短期主義経営により薄利多売が跋扈、労働価値がどんどんディカウントされているのが今の日本だが、売る側が商品・サービスの効用と同程度の価格で売れば一瞬で生産性は上がり、短期利益減少で短期株主は損し、消費者余剰は減るが生産価値というものに気付き、全体としてより良い社会になる)
安全保障としての水
CSISのグローバルフードセキュリティプログラムでも強調される安全保障の観点からの水の重要性。水を制するものが世界を制するか!?
https://www.newsecuritybeat.org/2020/10/agricultures-achilles-heel-water-insecurity-greatest-threat-sustaining-global-food-production/
アルフリビール、今後は植物肉か・・
アメリカを中心に植物肉が広がっているという。
大豆などを肉の代わりにする植物肉、外国であればお好きにどうぞの一言、しかし魚や植物性タンパク質の宝庫たる日本がそれを積極的に見倣う必要はなく、逆に精進料理や和食一般を世界にPRする好機であろう。
代用するのであれば、アルコールフリーの似非ビールや豆でできた肉もどきでなく、ちゃんとしたジュース・茶・豆腐の本物達としたく、味覚面でも環境面でもそれらが優れていると思われる。
当方は30代でタバコを卒業したときはボルセックという炭酸水がその代用となり、53歳でやっと酒を修了してからの代用品は国産炭酸水。ニコチンやアルコールにすっかり依存した体でも、適した「水」で代替できる実例をつくった。
環境保護や社会正義を叫ぶヨイ子さん達も、似非で誤魔化さず、肉の味そのものから卒業したらいかが?ついでにあなたに合う水もお教えしましょう。
通勤路の風景
小規模水道セミナー
敬愛する中本忠信先生が牽引するNPO地域水道支援センター主催のオンラインセミナーが10月25日に開催されます。テーマは小規模水道の作り方(国内編)です。よかったら参加してみませんか?
CWSC主催 緩速ろ過/生物浄化法セミナーオンライン連続講座2020
第1回「小規模水道のつくり方 国内編」https://peatix.com/event/1627533
ゆうちょ銀
不正引出の件でゆうちょ銀の池田社長が記者会見をしていた。
池田さんと会ってからもう20年近く。しかし今日の動画の氏は、切れ味鋭い目つきや小柄でがっしりした体形、全く変っていない。白髪がないのは染めているのか?、今は70過ぎのはず。
横浜銀行代表取締役の時、池田氏はとても気さくで、自分は今でもちんぴらだといい、薄く粗野を纏ったその謙遜なお人柄に惹かれた。今日の会見ではさすがに池田節は封印されていたようだ。巨大公的機関のトップとしてこれからも頑張って頂きたい。
バッタ
当社埼玉センター敷地内にいたオンブバッタのつがい。小さいオスをおんぶするメス、2時間後も同じ場所で同じ格好。交尾中だろうか、おんぶしているだけなのか? どっちにしてもHave a great day!
ステロイドホルモン
ドイツのカールスルーエ・テクノロジー・インスティチュートが水中のステロイドホルモンを99%以上除去できる浄化フィルターシステムを開発。
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/09/200908101557.htm
ドメスティック
ネスレが中国の飲料水事業を青島ビールに売却するという記事に目が留まる。IT化が進み付加価値がデジタル空間で効率的に創造される世の中で、飲料水ビジネスの建付けは古今東西変わることはなく、水が運ばれ消費される極めてシンプルで原始的な物理に支配される。
そのため飲料水ビジネスは基本的にドメスティック。キリンがボルヴィックを終了するのも自然なのであり、中国企業がネスレの中国事業を買うのもしかり。
SROE(2)
SROE(Social Return on Equity)を提唱する当方、SROEに関する2回目の投稿です。
初回ではSROEの概念と定義を示しました。
会社に残す最終利益を分子とするROEと反対に、SROEの分子は社会に捻出したおカネです(主に労働・仕入への支払額)。
会社と社会という文字並びと同様、ROEとSROEは数式的にも正反対で、更に前者は財務的理論、後者は社会経済的思想です。
なぜSROEを志向しようというかといえば
・GDPを拡大するからです
個別企業の利益だけを見るROEと異なり、SROEは当該企業の業界、サプライチェーン、労働者に与えた価値を計ります。
仕入原価を下げればその会社の粗利、そしてROEは上がりますが、仕入先の粗利が減り、GDP拡大に寄与しません
人件費を下げればその会社のROEは上がりますが、労働者の消費可能額も下がり、その分ほぼ確実にGDPが減少します
ところで、なぜGDPが大事?
社会保険制度を見れば明瞭ですが日本社会は経済成長を前提とした建付けになっているからです。
収縮経済を前提とした新たな社会構造にシフトする!?というのは一見よさそうに聞こえますが、具体現実性を欠きロマンティックかつ抽象的、つまり無責任。
生産労働人口の所得拡大は今の日本経済で求められる最重要課題の一つであり、そのため、所得総計を示すGDPは様々な経済指標の中でも最重要といって差し支えありません。
デフレ脱却へ!
株主資本主義に染まった日本においては株価を上げるための代表的経営指標であるROEの極大化志向はどの上場企業経営者も避けられません。
低成長社会で売上増大は不確実であるため、当期利益極大化には低コスト化が求められ、中でも固定費の削減や低水準固定化は効果的、ということでこれらは1社の戦略としては正解ですが、裏を返せば経済のパイを縮小させる「合成の誤謬」が顕在化、つまり平成以降の日本にはデフレが進む構造的トレンドがあったわけです。
その流れを変え、デフレ(つまりGDPの停滞)から脱却するためには、小賢しい新理論を打ち出すのではなく、私達の先祖が教えてくれた真っ当な「思想」に立ち戻ることです。
近江商人は三方善しといい、また高く買って高く売るのが商売の基本といった古物商もいました。
SROEはこれら古くからある思想を具体的に数値指標にしたものといってよいかもしれません。
追及すればするだけ赤字が増え、倒産に近づく指標であるSROE。
それゆえ、高いSROEを誇る企業、また長くそれを維持する企業の社会価値は高くなり(social valuation)、地域経済、社会経済に欠かすことのできない存在となります。
企業を評価する際に、利益や株主資本だけでは計れない価値があるということです。