帝松(みかどまつ) 唯一無二の仕込み水でつくられた銘酒

唯一無二の仕込み水でつくられた銘酒、帝松(みかどまつ)。


帝松(みかどまつ)の蔵元、松岡醸造株式会社は秩父山系の伏流水に恵まれた埼玉県比企郡小川町に位置します。

秩父の東麓に位置する小川町は1,300年前の古来より和紙作りが連綿と続く歴史を持ち、当地が和紙の原料となる楮(こうぞ)の生育に適し、また清冽な水があったことが国内でも有数の和紙産地になった理由といわれます。

小川和紙のひとつ、細川紙は国の重要無形文化財であり、また2014年にはユネスコの無形文化遺産に記載された「和紙 日本の手漉き和紙技術」の銘柄に数えられました。

松岡醸造の程近くには天然記念物「古寺鍾乳洞」があり、当地の地下一帯には稀有な石灰岩質が存在していることを示します。

帝松がつくられる小川町は自然と伝統に恵まれ、酒蔵まで徒歩で訪れる最中、穏やかでゆったりとした時間の流れを感じました。





「トップレベルの硬度でありながら不純物を含まない水」

帝松の仕込み水は酒蔵の地下130mの帯水層から取水されている天然水です。

その仕込み水、実はとても珍しいものでした。詳述すればきりがありませんが、ここではその水質成分の大きな特徴として2点を挙げます。

第一に、 カルシウム豊富な硬水であること。地質図を頁下部に記載しますが、当地の地下岩層にはもともと海であった秩父山系の石灰岩質があり、それらの地下岩層でじっくりと自然ろ過される過程で天然水はカルシウムを含む各種ミネラルを吸収し、地下深くの帯水層に到達します。

帝松の仕込み水に含まれる豊かなミネラル成分は、酵母の栄養となり活性化させる働きがあります。それにより帝松の風格ある味わいと芳醇な香りがもたらされているのだと、現場で改めて実感しました。



仕込み水の硬軟比較で有名なのは灘と伏見があります。灘では仕込み水の硬度が比較的高く、灘の酒造りに欠かせないそれらの水は「宮水」と呼ばれ、比較的しっかりした味わいのお酒が出来上がり、それが「灘の男酒」と呼ばれる所以です。他方、花崗岩質の伏見の水は柔らかい水であり、それらを利用した酒の飲み口にも軟らかさが感じられ、伏見の酒は「女酒」と呼ばれるようになりました。

帝松の仕込み水の硬度は127mg/L。灘の硬水よりも硬度が高いのです。大手食品卸会社の調査でも、数ある日本の酒蔵の中でも松岡醸造の仕込み水の硬度がトップクラスであることが分かっています。

二番目の特徴は、この仕込み水は鉄・マンガンを含まない、大変きれいな天然水であることです。

いくら良質なミネラルが豊富でも、その水に鉄やマンガンが入っていたら飲める天然水とはいえず、勿論酒造りにも不適です。

実は飲料メーカーにとって鉄マンガンはとても悩ましいのです。
原水に鉄マンガンが無いことが一番ですが、立地条件や必要水量などの制約で、鉄マンガン混じりの原水を使わざるを得ないケースもそれなりにあるのが実態。

ミネラルウォーターの原水に鉄マンガンが入っていることはありませんが、その他の飲料では鉄マンガンを含んだ原水を利用する例も散見され、日本酒においても鉄マンガンを除去処理を実施してから仕込み水に使う例があります。それらは厳密には天然水仕込みといえるものではありません。

水広場が以前コンサルティングで関わった京都の地下水調査においても、多くの地点で鉄マンガン含有がみられ、またpHは7未満の弱酸性~酸性がほとんどでした。

他方、帝松の仕込み水は別格といえる無垢さであり、酒造りに適したミネラルはしっかりと含まれているという、稀有な特徴があります。



地質検証

帝松の蔵元である松岡醸造の地下水の大きな影響を与える地下岩層の構成種類を地質図で確認しました。

酒蔵周辺の地質としてはかつて海底であった堆積岩(石灰岩)が顕著ですが、起源が異なる複数の堆積岩層が連なり、そこにペルム紀の深成岩、ジュラ紀の火山岩、三波川変成岩類などが縦横に入り混じった構造です。

前述のとおり、仕込み水にカルシウムをはじめとするミネラルが豊富なのはそれら石灰岩層から説明できます。

地質図だけから水質の全貌を導き出すことはできませんが、この地域はとても特徴的な複雑な地下岩層で構成されていることがわかります。

また、小川町には3つの酒蔵が存在しますが、石灰岩質の恩恵を受けながらもそれぞれの仕込み水の水質には違いがあり、その事実はこの複雑な地下層からも理解できます。

尚、地質図では同地点の深度による水の違いを推定することができません。松岡醸造には地下130mの深井戸の他に浅めの井戸もありますが、その水質は異なっています。

帝松をつくる稀有な水質の仕込み水は、丁度その地点、そして深さにその水があったという、まさに天からもたらされた地の利があるのではと感じました。



全国新酒鑑評会で8年連続金賞受賞

由緒ある全国新酒鑑評会において帝松は平成14年~23年の8年連続を含み、平成の31年間で半分以上の17回金賞を受賞しています。

ミネラル豊かで良質な仕込み水を使っていることは勿論、発酵時の温度の見極めと徹底した管理調整により、帝松特有のまろみを帯びた口当たりと奥行きのある香りが引き出せるわけです。



精米された米が蒸され冷却された後、麹菌に触れさせ、その麹米は仕込み水とあわせタンクに入り、酵母の力を借りて発酵させます。

発酵においては温度管理が非常に重要であり、そのため松岡醸造では最新設備を備え、タンク内の温度が精密に管理、調整されていました。



土蔵づくりの旧蔵は新潟から移築したとのこと、柱も新潟から持ち込まれそのまま使われています。

白いサーマルタンクは超低温管理もできるため、新しい味のお酒の開発に利用されています







税務署員用の部屋

税収における酒税の比率が高かった明治から昭和にかけ、税務署員が常駐していました。

酒蔵に税務署員職務室があるのを見たのは初めてでした。

酒造経過表と見られる台帳がそのまま残っています。

机上のおちょこは税務署の担当者が仕事の合間にチビチビやっていたのではと想像が膨らんでしまいましたが、もしそうであっても不思議ではない魅力が帝松にはあります。





扉の奥で大吟醸がつくられています



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帝松(みかどまつ)

*お酒は20歳になってから。
*未成年者の飲酒は法律で禁じられています。 

商品基本情報

■商品名・サービス名
帝松(みかどまつ) 唯一無二の仕込み水でつくられた銘酒
■品名
日本酒
■原材料
個別銘柄ページ参照
■商品サイズ
720ml, 1.8L

この商品に関するお客様の声

  • ★★★★ しっかりとした土台

    水で酒の味がどうなるのか興味深く購入。確かに硬水仕込は土台がしっかりした感じ。

    2019年07月25日 NO NAMEさん